N5-5 Perfusion Resource Management導入のための基礎的研究
【目的】Perfusion Resource Management(PRM)とは, 安全で質の高い体外循環を確保するために, すべての利用可能なリソース, ハードウェアおよび情報を効果的に活用し, 心臓手術のチームとしてのトータルパフォーマンスを向上させることである. PRM導入のための基礎的研究として体外循環技士が生体や人工心肺からどのように情報を得ているか, また経験により情報収集時間に差が生じるかを計測するために, 体外循環中にアイマークレコーダによる眼球運動・注意点推移の記録を行い検討したので報告する. 【対象】対象は体外循環症例数が約100例未満の技士2名と, 約2,000例以上の技...
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Published in | 体外循環技術 Vol. 35; no. 3; p. 300 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本体外循環技術医学会
2008
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0912-2664 |
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Summary: | 【目的】Perfusion Resource Management(PRM)とは, 安全で質の高い体外循環を確保するために, すべての利用可能なリソース, ハードウェアおよび情報を効果的に活用し, 心臓手術のチームとしてのトータルパフォーマンスを向上させることである. PRM導入のための基礎的研究として体外循環技士が生体や人工心肺からどのように情報を得ているか, また経験により情報収集時間に差が生じるかを計測するために, 体外循環中にアイマークレコーダによる眼球運動・注意点推移の記録を行い検討したので報告する. 【対象】対象は体外循環症例数が約100例未満の技士2名と, 約2,000例以上の技士2名の計4名である. 【方法】ヘルメットにビデオカメラとSMI社製アイビューエックスを装着し, 体外循環前点検時, 体外循環開始時, 大動脈遮断から心筋保護液注入, 大動脈遮断解除時, 離脱時の各技士の眼球運動・注意点推移をコンピュータに記録し, 解析を行った. 【結果】点検時はチェックリストを用いているため, 経験年数に関係なく同じような視点移動で確認していた. 操作時では経験年数が少ない技士は, 視点の移動が頻繁で流動的であった. 経験年数が長い技士は, 同じようなパターンで視点を移動していた. また, どちらも機器の配置によっては情報収集に時間がかかった. 【考察】PRMとは, 技士が利用可能な資源を効果的に活用しようとする概念である. 今回の研究で, 経験年数に差があっても, チェックリストがあると点検時は同じ視点移動であった. このことより, マニュアル類の充実, 教育・訓練の重要性が示唆された. また, 生体モニタや人工心肺装置のモニタ, 静脈貯血槽などの位置は視点の移動の少ない配置にする事で瞬時の判断が可能となり, 重要であることが再認識できた. 【結論】今回, PRM導入のための基礎的研究を行った. 情報を効果的得るためには, ソフト面では, マニュアル類の充実, 教育・訓練の重要性が, ハード面では機器の適切な配置が重要である事が示唆された. |
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ISSN: | 0912-2664 |