特別講演:弁膜症外科治療における私の工夫

「弁膜症外科治療における私の工夫」 京都府立医科大学付属病院心臓血管呼吸器外科 北村信夫 私は, 外科医として, 手術手技上の工夫を続けなくてはと考え, 今までに心臓血管外科分野における工夫としていろいろの点について, 私なりのやり方を開発してまいりました. そこで, この度はその内, 弁膜症手術に関するものを紹介させて頂きます. まずは, 人工弁の開発で, より良好な血行動態を得るために, 本邦初の榊原弁の変形をもやっていました. 次には心内膜炎弁膜症における弁置換術での, 合併症予防対策として襟付き人工弁を使い始めたのです. その次には, 弁置換術後の血行動態を少しでも良くして, 術後のQ...

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Published in体外循環技術 Vol. 30; no. 3; p. 199
Main Authors 北村信夫, 佐藤繁喜
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本体外循環技術研究会 2003
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ISSN0912-2664

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Summary:「弁膜症外科治療における私の工夫」 京都府立医科大学付属病院心臓血管呼吸器外科 北村信夫 私は, 外科医として, 手術手技上の工夫を続けなくてはと考え, 今までに心臓血管外科分野における工夫としていろいろの点について, 私なりのやり方を開発してまいりました. そこで, この度はその内, 弁膜症手術に関するものを紹介させて頂きます. まずは, 人工弁の開発で, より良好な血行動態を得るために, 本邦初の榊原弁の変形をもやっていました. 次には心内膜炎弁膜症における弁置換術での, 合併症予防対策として襟付き人工弁を使い始めたのです. その次には, 弁置換術後の血行動態を少しでも良くして, 術後のQuality of Life(QOL)を高めるための術式として, 2弁置換術時の人工弁サイズの至摘組み合わせと共に, 大動脈弁と僧帽弁の両弁輪拡大術式(Coupling Vialve Graft)を行いだしました. そして, これら以外には, 術後の合併症もある人工弁置換術を出来るだけ避けることも大切だろうと考え始めて, 弁輪拡大している場合の弁形成術として, 糸を用いての弁輪全周の縫縮術式を三尖弁を中心に僧帽弁にも行うようにしました. 次に, この他の弁形成術式としては, 硬化をおこして, 可動性の衰えている弁尖を電動ヤスリで削って弁の可動性を高める術式として“Rasping”という方法を開発したのです. これの適応は, 大動脈弁から始めたのですが, 僧帽弁にも可能であることが解かってきました. そこで, この度はこの術式をビデオで紹介させて頂きます.
ISSN:0912-2664