8. 消化器疾患に対する単孔式腹腔鏡下手術 食道アカラシアに対する単孔式腹腔鏡下Heller-Dor法(II)

消化器疾患に対する腹腔鏡下手術は多くの施設で導入され, 手術侵襲や術後疼痛の軽減に寄与してきた. 一方で整容性においては腹腔鏡手術により満足度は上がってはいるものの, 少しでも創を小さくしてほしいという患者の要求はさらに強まっている. 単孔式内視鏡手術は術後にほとんど創が目立たない術式で, ここ1~2年の間にいくつかの疾患において急速に導入されてきた. 本稿では食道アカラシアに対する単孔式腹腔鏡下Heller-Dor法を紹介する. 通常の腹腔鏡下Heller-Dor法は5ポートを挿入するが, 本法では臍部に2.5cmの切開を置き, ここから挿入する鉗子ですべての手術操作を行う. 図1Aのように...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 7; no. 2; pp. 48 - 49
Main Authors 野村務, 宮下正夫, 牧野浩司, 萩原信敏, 赤城一郎, 松本智司, 藤田逸郎, 中村慶春, 岩切勝彦, 内田英二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2011
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Summary:消化器疾患に対する腹腔鏡下手術は多くの施設で導入され, 手術侵襲や術後疼痛の軽減に寄与してきた. 一方で整容性においては腹腔鏡手術により満足度は上がってはいるものの, 少しでも創を小さくしてほしいという患者の要求はさらに強まっている. 単孔式内視鏡手術は術後にほとんど創が目立たない術式で, ここ1~2年の間にいくつかの疾患において急速に導入されてきた. 本稿では食道アカラシアに対する単孔式腹腔鏡下Heller-Dor法を紹介する. 通常の腹腔鏡下Heller-Dor法は5ポートを挿入するが, 本法では臍部に2.5cmの切開を置き, ここから挿入する鉗子ですべての手術操作を行う. 図1Aのように創にwound retractorと手術用の手袋を装着, 指の部分を切って挿入したトロカールから鉗子やスコープ(5mmのフレキシブル腹腔鏡)の操作を行う. 肝左葉は心窩部からネイサンソンリトラクターをポートを介さず直接挿入して圧排, 術野を確保する.
ISSN:1349-8975