P-63)60%リドカインテープ前処置によるケロイドに対するトリアムシノロンアセトニド局所注射治療の疼痛軽減効果に関する検討

目的:ケロイドは原因不明で, 特効薬の開発には至っていない. 様々な治療があり, その中で, トリアムシノロンアセトニドのケロイド内注射治療は, 簡便で有効性も高く, 一般的に行われている. しかし, 局所注射時の疼痛は大変強く, その痛さに耐え切れずに治療を中断するケースが少なくない. そこで, 今回われわれは, 60%リドカインテープを用いて, ケロイド内注射時の疼痛軽減効果について検討したので報告する. 対象および方法:当科初診以前に, トリアムシノロンアセトニドのケロイド内注射治療を受け, その疼痛のために治療を断念した例を対象とした. 疼痛の評価はVisual Analogue Sc...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 4; no. 4; p. 258
Main Authors 奈良慎平, 土佐眞美子, 岩切致, 村上正洋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2008
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Summary:目的:ケロイドは原因不明で, 特効薬の開発には至っていない. 様々な治療があり, その中で, トリアムシノロンアセトニドのケロイド内注射治療は, 簡便で有効性も高く, 一般的に行われている. しかし, 局所注射時の疼痛は大変強く, その痛さに耐え切れずに治療を中断するケースが少なくない. そこで, 今回われわれは, 60%リドカインテープを用いて, ケロイド内注射時の疼痛軽減効果について検討したので報告する. 対象および方法:当科初診以前に, トリアムシノロンアセトニドのケロイド内注射治療を受け, その疼痛のために治療を断念した例を対象とした. 疼痛の評価はVisual Analogue Scaleを用いて行った. 1)当科初診前に受けた治療時の疼痛と2)治療の2時間前に60%リドカインテープを治療部位に使用後, 局所注射を行いその疼痛をVisual Analogue Scaleを用いて評価し比較検討した. 結果:60%リドカインテープの前処置後に治療した場合の疼痛は, 明らかに軽減しており, 全対象例に受け入れられる程度の痛みであった. 考察:ケロイドに対するトリアムシノロンアセトニドの局所注射治療の場合, 60%リドカインテープを用いることで, 疼痛の軽減効果を得られることが示された. ケロイドに対する治療を完治するまで継続していくためにも, 60%リドカインテープの併用は有効と考える.
ISSN:1349-8975