P-30)われわれが試みている眼瞼マイボーム腺癌に対する治療法についての1考察
目的:眼瞼マイボーム腺癌に対しわれわれが試みている治療法について, 代表症例を提示しつつ文献的考察を交え報告する. 症例:73歳, 女性. 2005年4月頃より上眼瞼の腫瘤に気づく. 生検にてマイボーム腺癌と診断され当科紹介された. 腫瘤は大きさ19×6mmで, リンパ節腫脹は認めなかった. 方法:(1)術前にセンチネルリンパシンチグラフィーを行い, 術中にリンパ節生検を試みた. (2)術前に腫瘤辺縁約5~8mmにて結膜, 瞼縁, および皮膚側より数ヵ所でmap biopsyを施行し切除範囲を決定した. (3)Mustarde法による眼瞼の再検では, malar flap辺縁にw形成術を追加し...
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Published in | 日本医科大学医学会雑誌 Vol. 2; no. 4; p. 258 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本医科大学医学会
2006
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Summary: | 目的:眼瞼マイボーム腺癌に対しわれわれが試みている治療法について, 代表症例を提示しつつ文献的考察を交え報告する. 症例:73歳, 女性. 2005年4月頃より上眼瞼の腫瘤に気づく. 生検にてマイボーム腺癌と診断され当科紹介された. 腫瘤は大きさ19×6mmで, リンパ節腫脹は認めなかった. 方法:(1)術前にセンチネルリンパシンチグラフィーを行い, 術中にリンパ節生検を試みた. (2)術前に腫瘤辺縁約5~8mmにて結膜, 瞼縁, および皮膚側より数ヵ所でmap biopsyを施行し切除範囲を決定した. (3)Mustarde法による眼瞼の再検では, malar flap辺縁にw形成術を追加した. 結果:(1)リンパシンチグラフィーではTc注入1時間後に同側耳下腺内にごく淡い蓄積を認めたが, 術中にリンパ節は検出されなかった. (2)術後病理組織学的所見では腫瘍は完全に摘出されていた. (3)再建下眼瞼の外反は認めなかった. 考察:(1)センチネルリンパ節生検において今回は有意なリンパ節が検出されなかったが, マイボーム腺癌ではリンパ節転移が比較的高率であることを考慮すると, すでに行われている皮膚悪性腫瘍と同様に行うべきものと思われた. (2)マイボーム腺癌ではpagetoid現象により腫瘍辺縁の肉眼的な同定は困難とされるが, map biopsyにより腫瘍全摘が可能であったことから有用な方法と考えられた. (3)皮弁辺縁のw形成は下眼瞼の外反予防に有用と思われた. |
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ISSN: | 1349-8975 |