開放型MRIを用いた温熱療法支援システムの開発
〔目的〕温熱療法における非侵襲温度分布画像化は腫瘍体積を最適な温度分布に加温し, 最大の治療効果を得るために必要不可欠な技術である. このたび開放型MRIを用いた温度分布画像化と腔内加温装置を組み合わせた, 加温装置への温度情報フィードバック機構を有するハイパーサーミア支援システム開発のための基礎実験を行ったので報告する. 〔対象ならびに方法〕0.5Tの開放型MRI(MRSP, GE横河メディカル(株))を用いてSpoiled gradient echo(SPGR)法による位相分布画像化法にて腔内および体外アプリケーター(Endothrem 200A改造型, オリンパス光学工業(株))による画...
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Published in | 日本ハイパーサーミア学会誌 Vol. 17; no. suppl; p. 107 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本ハイパーサーミア学会
2001
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ISSN | 0911-2529 |
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Summary: | 〔目的〕温熱療法における非侵襲温度分布画像化は腫瘍体積を最適な温度分布に加温し, 最大の治療効果を得るために必要不可欠な技術である. このたび開放型MRIを用いた温度分布画像化と腔内加温装置を組み合わせた, 加温装置への温度情報フィードバック機構を有するハイパーサーミア支援システム開発のための基礎実験を行ったので報告する. 〔対象ならびに方法〕0.5Tの開放型MRI(MRSP, GE横河メディカル(株))を用いてSpoiled gradient echo(SPGR)法による位相分布画像化法にて腔内および体外アプリケーター(Endothrem 200A改造型, オリンパス光学工業(株))による画像へのsusceptibility artifactを調べた. 電動式ポンプを用いた冷却水循環により流れのアーチファクトの影響を調べた. 温度画像のリアルタイム処理のためにPCクラスタ(Cosmo 1, RWC)を導入し, MRSPから本クラスタマシンへのデータ自動転送ソフトウエアを開発した. さらに温度分布計測における装置の安定性を評価した. 〔結果ならびに考察〕いずれのアプリケーターも帯磁率, 渦電流磁場ならびに冷却水循環によるアーチファクトは認められなかった. 1時間の治療を想定した場合の温度計測の安定度は0.13ppm/h(温度換算で13℃/h)であり, 治療支援のためには位相測定用の外部ファントムの利用が不可欠であることが明らかになった. 〔結語〕銅製の電極を有するアプリケータでは温度画像に及ぼす影響は非常に軽微であり, MR測温を初めとした各要素技術の組み合わせに基づくハイパーサーミア支援システムの実現が期待された. |
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ISSN: | 0911-2529 |