7.下肢における骨・軟部悪性腫瘍の機能予後

1994年1月~5月の間に腫瘍外来で経過観察を行っている46症例を対象とした(術後経過観察期間は平均3年10ヵ月). Ennekingらの評価法(1993年版)に従って, pain, function, emotional acceptance, supports, walking ability, gaitの6項目をそれぞれ5~0点に分けて採点し, 同時にAIMSを用いて, ADLと心理的主観的要素(不安性, 抑うつ性)を評価した. 症例は, 術式により切断, 患肢温存に分け, 患肢温存例は骨腫瘍と軟部腫瘍の計3群に分けて検討したまた, AIMSの中で精神的要素11項目を採点した該当する場合...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inリハビリテーション医学 Vol. 31; no. 12; p. 974
Main Authors 丸野紀子, 水島繁美, 栢森良二, 三上真弘, 檜垣昇三, 小川和彦, 立石昭夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 1994
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:1994年1月~5月の間に腫瘍外来で経過観察を行っている46症例を対象とした(術後経過観察期間は平均3年10ヵ月). Ennekingらの評価法(1993年版)に従って, pain, function, emotional acceptance, supports, walking ability, gaitの6項目をそれぞれ5~0点に分けて採点し, 同時にAIMSを用いて, ADLと心理的主観的要素(不安性, 抑うつ性)を評価した. 症例は, 術式により切断, 患肢温存に分け, 患肢温存例は骨腫瘍と軟部腫瘍の計3群に分けて検討したまた, AIMSの中で精神的要素11項目を採点した該当する場合を2点, どちらともいえない場合を1点, 該当しない場合を0点として計算すると, 切断群の平均4.0点, 患肢温存のうち骨腫瘍群3.8点, 軟部腫瘍群1.8点であった. Ennekingの評価では, それぞれ, 切断, 患肢温存骨腫瘍, 患肢温存軟部腫瘍に対して, F3.0, 3.1, 4.7, E3.3, 4.2, 4.5, %Ratingは67.4, 70.9, 93.9であった. 結果より, Fは切断と患肢温存骨腫瘍の差がなく, Eは患肢温存は差がなく, 切断は不良であった. また, AIMSの心理的要素は切断と骨腫瘍で高く, 軟部腫瘍では低かったことより, AIMSはFと同じ傾向を示し, Eとは一致しなかったこれらより, 患肢温存術を受けた骨腫瘍群は下肢が残ったことに対する満足度が高いが, 実際に機能制限があり, 精神的要素に反映したと考えられた.
ISSN:0034-351X