16. 閉口末期の閉口障害のMRI所見

【目的】MRI検査にて, 閉口末期における閉口障害の原因の特定がどこまで可能かについて, 明らかにする. 【方法】2002年4月から2007年7月まで, 新潟大学附属病院歯科を受診した閉口末期の閉口障害患者のうち, MRIを撮影した患者7名を対象とした. 【結果】典型的なopen lockの所見を呈するものはなかった. 滑膜炎ないし関節炎が原因と考えられた症例が2例, 円板転位と続発する骨変化の後, 円板が復位した状態に遷移することで, 閉口障害を来したと考えられた症例が1例, 非復位性円板内側転位に関連すると思われた症例が1例, 関節包部の肥厚ないし腫瘤性病変が原因と考えられた症例が1例,...

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Published in歯科放射線 Vol. 47; no. 1/4; pp. 140 - 141
Main Authors 西山秀昌, 新国農, 田中礼, 小山純市, 五十木裕子, 林孝文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本歯科放射線学会 2007
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Summary:【目的】MRI検査にて, 閉口末期における閉口障害の原因の特定がどこまで可能かについて, 明らかにする. 【方法】2002年4月から2007年7月まで, 新潟大学附属病院歯科を受診した閉口末期の閉口障害患者のうち, MRIを撮影した患者7名を対象とした. 【結果】典型的なopen lockの所見を呈するものはなかった. 滑膜炎ないし関節炎が原因と考えられた症例が2例, 円板転位と続発する骨変化の後, 円板が復位した状態に遷移することで, 閉口障害を来したと考えられた症例が1例, 非復位性円板内側転位に関連すると思われた症例が1例, 関節包部の肥厚ないし腫瘤性病変が原因と考えられた症例が1例, 円板と関節窩との間に後部結合織が挟み込まれることで生じたと思われる症例が1例で, 原因不明の症例が1例であった. 【考察】MRI検査にて閉口末期の閉口障害の原因をある程度絞り込むことが可能であり, 治療法の選択に役立つと考えられた. 特に, 今回, 1症例ではあるが後部結合織を挟み込む所見を呈する症例を経験したが, 本病態は, 滑膜部の移動と円板の移動との間の協調不良にて生じるものと推察された. 【結論】MRI検査を行うことで, 閉口末期の閉口障害の原因としてopen lock以外にも, 炎症, 腫瘤性病変, 円板の転位, また, 後部結合織の噛み込みについて検索可能なことが分かった.
ISSN:0389-9705