O-6 顎関節前額面形態に関する歯科用小照射野X線CTを用いた研究 第2報:左右形態差と症状との関係について
目的:前報は, 下顎頭, 下顎窩の形態を歯科用小照射野X線CTの前額断像から分類し, 年齢および性別による出現頻度, また, 症状との関係について報告した. 今回は, 左右の形態差と症状との関係について検討を行った. 方法:2002年1月から2003年6月まで顎関節症の疑いで歯科用小照射野X線CT撮像を受けた369名738関節(男性94名, 女性275名, 平均年齢35. 5歳)の前額断像を用い, 下顎頭, 下顎窩形態を分類した. 観察画像は前報と同様で, 観察は4名の歯科放射線科医によって行われた. 結果:頭窩形態が両側でいずれも一致したものは145例, 左右の頭および窩が一致し, 同側頭窩...
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Published in | 歯科放射線 Vol. 43; no. suppl; p. 31 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本歯科放射線学会
2003
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ISSN | 0389-9705 |
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Summary: | 目的:前報は, 下顎頭, 下顎窩の形態を歯科用小照射野X線CTの前額断像から分類し, 年齢および性別による出現頻度, また, 症状との関係について報告した. 今回は, 左右の形態差と症状との関係について検討を行った. 方法:2002年1月から2003年6月まで顎関節症の疑いで歯科用小照射野X線CT撮像を受けた369名738関節(男性94名, 女性275名, 平均年齢35. 5歳)の前額断像を用い, 下顎頭, 下顎窩形態を分類した. 観察画像は前報と同様で, 観察は4名の歯科放射線科医によって行われた. 結果:頭窩形態が両側でいずれも一致したものは145例, 左右の頭および窩が一致し, 同側頭窩が不一致だったものは20例, 左右の頭のみ一致し, 窩が不一致だったものは43例, 左右の頭が不一致で左右の窩が一致したものは58例, 片側の頭窩のみが一致したものは89例, いずれも一致しなかったものは14例であった. この中で, 左右頭窩形態の一致, 不一致と症状との関係については, 統計学的に有意な差は見られなかった. 結論:以上のことから, 頭, 窩形態の一致および左右の形態一致性と症状との関係はなく, 症状の有無は前報告同様, 形態の特異性によるものが大であると考えられた. |
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ISSN: | 0389-9705 |