7. 体重増加の危険因子:健診データの解析

体重増加は, メタボリックシンドロームやその他多くの疾患の危険因子であることが, これまでに指摘されている. 今回, 私たちは輸送用機器製造業A社の社員の健診の結果(n=11,297)について, 前向き解析として, 体重変化の分布観察, 体重変化の危険因子の単変量解析, 体重変化と危険因子の多変量解析を行った. その結果, 5年間の体重変化が+3kg以上だった人は, 1,453人(全体の22%)であった. 体重変化の平均は, 0.477±0.051(kg)であった. +3kg以上の体重増加と有意に関連する危険因子は, 2004年の「肥満度」が高いこと, 「朝食」を食べないことであった. オッズ...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 53; no. 1; p. 14
Main Authors 福永高之, 柏戸桃子, 堀川せり乃, 鈴木仁, 内野文吾, 早坂信哉, 野田龍也, 村田千代栄, 尾島俊之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 2011
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ISSN1341-0725

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Summary:体重増加は, メタボリックシンドロームやその他多くの疾患の危険因子であることが, これまでに指摘されている. 今回, 私たちは輸送用機器製造業A社の社員の健診の結果(n=11,297)について, 前向き解析として, 体重変化の分布観察, 体重変化の危険因子の単変量解析, 体重変化と危険因子の多変量解析を行った. その結果, 5年間の体重変化が+3kg以上だった人は, 1,453人(全体の22%)であった. 体重変化の平均は, 0.477±0.051(kg)であった. +3kg以上の体重増加と有意に関連する危険因子は, 2004年の「肥満度」が高いこと, 「朝食」を食べないことであった. オッズ比は肥満度がもっとも高いと1.230(1.029-1.471), 朝食を食べないと1.671(1.408-1.984)であった. 考察として, 朝食をとる群のほうが, 健康意識がより高いということが原因として考えられ, 今後の保健指導にはこれらの結果を元に効果的な保健指導を行う必要があると思われた.
ISSN:1341-0725