肺悪性リンパ腫の経気管支肺生検における免疫グロブリン重鎖遺伝子解析の有用性について
[目的]肺原発悪性リンパ腫, 経気管支肺生検(TBLB)標本における免疫グロブリン重鎖遺伝子Third Complementarity Determining Region(CDR3)領域をPCR法によって増幅し, 診断における有用性について検討した. [対象]開胸肺生検によって診断が確定し, 術前にTBLBにて, リンパ球浸潤のみられた5症例について検討した. [方法]パラフィン包埋標本よりDNAを抽出し, 2step PCR法によって, CDR3領域を増幅した. 増幅産物は, 2%アガロースゲルに泳動し, 再構成バンドの有無について検討した. また, 同産物をsubcloning後, Dy...
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Published in | 気管支学 Vol. 23; no. 3; p. 56 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本気管支学会
2001
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Summary: | [目的]肺原発悪性リンパ腫, 経気管支肺生検(TBLB)標本における免疫グロブリン重鎖遺伝子Third Complementarity Determining Region(CDR3)領域をPCR法によって増幅し, 診断における有用性について検討した. [対象]開胸肺生検によって診断が確定し, 術前にTBLBにて, リンパ球浸潤のみられた5症例について検討した. [方法]パラフィン包埋標本よりDNAを抽出し, 2step PCR法によって, CDR3領域を増幅した. 増幅産物は, 2%アガロースゲルに泳動し, 再構成バンドの有無について検討した. また, 同産物をsubcloning後, Dye Primer法によってシークエンスを行った. [結果]全例において, TBLB標本においても, 開胸肺生検標本と同様にsharpな再構成バンドが検出された. 採取された組織が小さく, 生検によって押しつぶされたため, 一部の症例では病理学的診断が困難であった. リンパ性間質性肺炎や慢性気管支炎では, smearバンドが認められた. PCR産物のシークエンスにおいても, 開胸肺生検と同一の腫瘍クローンの検出が可能であった. [結論]免疫グロブリンCDR3領域をPCR法によって増幅することによって, TBLB標本の様な小さな組織においても, 腫瘍クローンの検出が可能であった. |
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ISSN: | 0287-2137 |