YAGレーザー照射により一時的に消退した下行結腸癌術後縦隔リンパ節転移気管浸潤の1例
〔目的〕YAGレーザー照射および放射線療法により, 約8ヵ月間気管内腫瘍の消退がみられた下行結腸癌術後縦隔リンパ節転移よりの気管浸潤の1例を経験したので報告する. 〔症例〕55歳, 男性で, 平成2年2月, 腹痛を主訴として来院した. 〔経過〕平成2年3月14日, 下行結腸癌の診断で左半結腸切除を行った. 病理組織診断は分化型管状腺癌でリンパ節転移を認めた. 翌3年12月9日, 肺転移に対し左下葉切除を行った. 気管分岐下リンパ節に転移を認めた. その翌4年6月23日, 肝転移を切除した. その後血清CEAの上昇を認めるも再発部位は明らかでなかった. 平成7年1月血痰を認め, 気管支鏡検査で気...
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Published in | 気管支学 Vol. 18; no. 3; p. 76 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本気管支学会
1996
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ISSN | 0287-2137 |
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Summary: | 〔目的〕YAGレーザー照射および放射線療法により, 約8ヵ月間気管内腫瘍の消退がみられた下行結腸癌術後縦隔リンパ節転移よりの気管浸潤の1例を経験したので報告する. 〔症例〕55歳, 男性で, 平成2年2月, 腹痛を主訴として来院した. 〔経過〕平成2年3月14日, 下行結腸癌の診断で左半結腸切除を行った. 病理組織診断は分化型管状腺癌でリンパ節転移を認めた. 翌3年12月9日, 肺転移に対し左下葉切除を行った. 気管分岐下リンパ節に転移を認めた. その翌4年6月23日, 肝転移を切除した. その後血清CEAの上昇を認めるも再発部位は明らかでなかった. 平成7年1月血痰を認め, 気管支鏡検査で気管内に突出する腫瘍を確認した. CT所見を含め縦隔リンパ節転移よりの気管内浸潤と診断した. 同年3月, 2回にわたりYAGレーザー照射を行った. その後Linac 50Gyを追加した. 気管内腫瘍は消退, CT上リンパ節の縮小を認めた. 血清CEAも正常化し, 血痰は消失した. 平成8年1月気管支鏡検査で気管内腫瘍の再発を確認した. 〔結語〕以上, 長期観察中の1例について報告する. |
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ISSN: | 0287-2137 |