当科における混合性結合織病に伴う間質性肺病変の気管支肺胞洗浄液所見の検討
〔目的〕混合性結合織病(MCTD)は, 抗RNP抗体陽性を特徴とし多彩な臨床像を呈する疾患で, その間質性肺病変(IP)は強皮症(PSS)の部分症状と考えられているが, 強皮症所見に乏しいMCTD例でもIPを認めることがある. IPを伴うMCTDで, PSSの診断基準も満たすMCTD/PSS群とそれ以外のMCTD/non-PSS群について, 気管支洗浄液(BALF)所見を検討した. 〔対象〕86年10月から95年末までにBALを行ったIP合併MCTD17例, 健常人7例を対象とした. 〔方法〕BALF中総細胞数と細胞分画を算定後, FACSCANを行い, リンパ球ではCD4, CD8, HLA...
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Published in | 気管支学 Vol. 18; no. 3; p. 61 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本気管支学会
1996
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ISSN | 0287-2137 |
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Summary: | 〔目的〕混合性結合織病(MCTD)は, 抗RNP抗体陽性を特徴とし多彩な臨床像を呈する疾患で, その間質性肺病変(IP)は強皮症(PSS)の部分症状と考えられているが, 強皮症所見に乏しいMCTD例でもIPを認めることがある. IPを伴うMCTDで, PSSの診断基準も満たすMCTD/PSS群とそれ以外のMCTD/non-PSS群について, 気管支洗浄液(BALF)所見を検討した. 〔対象〕86年10月から95年末までにBALを行ったIP合併MCTD17例, 健常人7例を対象とした. 〔方法〕BALF中総細胞数と細胞分画を算定後, FACSCANを行い, リンパ球ではCD4, CD8, HLADR等, マクロファージはHLADQ, HLADR, トランスフェリン受容体等の表面マーカーの発現率を比較した. 〔結果〕MCTDは, 健常者に比べ, リンパ球分画およびactivatedT細胞(比率)の有意な上昇, supressorT細胞(比率)の有意な低下を認めた. MCTD/PSS群とMCTD/non-PSS群の比較では, 各種表面マーカー発現率に有意な差を認めなかった. 〔考察〕MCTDの臨床像の多様性から, 合併するIPについてもその病態の差異が考えられたが, 今回のBALF所見では有意な差は認められなかった. 今後, 臨床所見との対比とともに, さらに症例の蓄積が必要と考えられた. |
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ISSN: | 0287-2137 |