急性気管支閉塞による無気肺のMRI

目的:実験動物の急性気管支閉塞に伴う肺組織の経時的・形態学変化の知見を得る. 背景:気管支閉塞は肺腫瘍・炎症性疾患など様々な疾患に伴い生ずる. 末梢肺は虚脱し無気肺となるが, 内部構造は従来のX線検査では十分な知見が得られず限界があった. 近年MRIが無気肺と腫瘍・壊死部・感染巣などとの鑑別に有用との報告が散見される. しかし閉塞性無気肺自体がどのような経過でどうMRIに反映するか, 未知の部分が多かった. 方法:家兎12匹を全身麻酔下に気管内挿管し, 塞栓子を片肺の主気管支に挿入し固定する. 作成後3日・1週・2週・3週にそれぞれ2~3匹ずつ屠殺し, その直後にMRI(SE法, T1wi;T...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in気管支学 Vol. 17; no. 1; p. 97
Main Authors 牧田伸三, 上村良一, 小林健, 高島力
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 1995
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:目的:実験動物の急性気管支閉塞に伴う肺組織の経時的・形態学変化の知見を得る. 背景:気管支閉塞は肺腫瘍・炎症性疾患など様々な疾患に伴い生ずる. 末梢肺は虚脱し無気肺となるが, 内部構造は従来のX線検査では十分な知見が得られず限界があった. 近年MRIが無気肺と腫瘍・壊死部・感染巣などとの鑑別に有用との報告が散見される. しかし閉塞性無気肺自体がどのような経過でどうMRIに反映するか, 未知の部分が多かった. 方法:家兎12匹を全身麻酔下に気管内挿管し, 塞栓子を片肺の主気管支に挿入し固定する. 作成後3日・1週・2週・3週にそれぞれ2~3匹ずつ屠殺し, その直後にMRI(SE法, T1wi;TR/TE=500/20 2Nex, T2wi;TR/TE=2500/80 4Nex)を撮像する. 続いて心肺を一塊に摘出し, 伸展固定. セルロイジン包埋により画像と同じ断面で切り出し大切片標本とした. MRI所見と病理組織学的所見を対比検討し, 閉塞性無気肺の形態学的変化について考察する.
ISSN:0287-2137