腹症より相関へ

督脈(HM)は任脈(VM)と共に躯幹正中部を巡るが「督は身の後を行く」とされ躯幹背部の脊柱に一致して上行し良導絡では頭頂の「百会」に至る道を督脈としている. 其の走行は単純なものであるが機能的には極めて複雑な重要な意味をもつ. HMは其の左右両側を膀胱経(F_4 )に依り挟まれているが, 此処には各経絡(良導絡)に対應して夫々の兪穴(stream points;S.P)があり, これらのS.Pは腹部の募穴(accumlation points;A.P)と臓腑を介して連絡する, と考えられている. 又, F_4 とHMは, 長強(HM1)と会陽(F_4 20)との強力な連結を始めとして, 百会(...

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Published in日本鍼灸良導絡医学会誌 Vol. 20; no. 4; pp. 15 - 24
Main Author 杉山榮一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本良導絡神経学会 1992
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ISSN0286-1631

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Summary:督脈(HM)は任脈(VM)と共に躯幹正中部を巡るが「督は身の後を行く」とされ躯幹背部の脊柱に一致して上行し良導絡では頭頂の「百会」に至る道を督脈としている. 其の走行は単純なものであるが機能的には極めて複雑な重要な意味をもつ. HMは其の左右両側を膀胱経(F_4 )に依り挟まれているが, 此処には各経絡(良導絡)に対應して夫々の兪穴(stream points;S.P)があり, これらのS.Pは腹部の募穴(accumlation points;A.P)と臓腑を介して連絡する, と考えられている. 又, F_4 とHMは, 長強(HM1)と会陽(F_4 20)との強力な連結を始めとして, 百会(HM26)と通天(F_4 64), HM26と絡却(F_4 63), 脳戸(HM23)と玉枕(F_4 62), HM23と天柱(F_4 59), 大椎(HM20)とF_4 59, 身柱(HM17)と風門(F_4 54), 陶道(HM19)とF_4 54などに於て相互連絡があり更に各S.PレベルのHM分節区は夫々のS.Pと類似の機能を有するなど, HMはF_4 を包含するものである.
ISSN:0286-1631