CT上興味ある経過をとった脳腫瘍の1例
症例は13歳男子. 右上肢のぎこちなさで発症, 徐々に増悪するため来院. 顔面を含めた右片麻痺(-1)を認めた. CTでは左内包付近にspotty low density areaを認めるが, 造影剤による増強効果はみられなかった. 諸検査でも異常所見を認めなかったため経過観察していたが, 右片麻痺の緩徐な進行とCT上spotty low density area周囲にhigh density areaが出現, 更に増強効果もみられるようになってきた. 脳腫瘍の多くは症状発現時CT上かなりの大きさを有し各々特徴的所見を呈するが, 今回の症例のごとく, CT上変化がみられたことは, 腫瘍が内包付...
Saved in:
Published in | Neurologia medico-chirurgica Vol. 23; no. suppl; p. 225 |
---|---|
Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本脳神経外科学会
1983
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0470-8105 |
Cover
Summary: | 症例は13歳男子. 右上肢のぎこちなさで発症, 徐々に増悪するため来院. 顔面を含めた右片麻痺(-1)を認めた. CTでは左内包付近にspotty low density areaを認めるが, 造影剤による増強効果はみられなかった. 諸検査でも異常所見を認めなかったため経過観察していたが, 右片麻痺の緩徐な進行とCT上spotty low density area周囲にhigh density areaが出現, 更に増強効果もみられるようになってきた. 脳腫瘍の多くは症状発現時CT上かなりの大きさを有し各々特徴的所見を呈するが, 今回の症例のごとく, CT上変化がみられたことは, 腫瘍が内包付近に発生したため症状発現が早く, 腫瘍が極く微小の時点でとらえることができ, その後の腫瘍の発育の進行につれてのdensityの異常, 増強効果の出現をとらえることができたと思われた. 腫瘍発生初期よりCT上経過を追跡し得たまれな症例と思われたので報告した. |
---|---|
ISSN: | 0470-8105 |