外傷性脳動脈瘤の2例

外傷性脳動脈瘤は全頭蓋内動脈瘤において比較的まれなものであるが, 外傷直後またはある時期にしばしば破裂し, 予後不良となる場合があり, 頭部外傷の続発症として重要である. 外傷性脳動脈瘤はウイリス輪より末梢で, 特に前及び中大脳動脈領域に多く, その構造は内膜を欠く偽性動脈瘤が多いといわれる. この中には, 文献上自然治癒するものも認められ, 手術適応に関して問題点もあるが, 一般には, 再破裂を予防するために外科的処置を行うことが原則と考えられている. 今回我々は, 59歳女性と29歳男性の外傷性脳動脈瘤の手術症例を経験したので, 文献的考察を加え報告した....

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 23; no. suppl; p. 140
Main Authors 小倉浩一郎, 原誠, 戸崎富士雄, 高安正和, 横江敏雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1983
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ISSN0470-8105

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Summary:外傷性脳動脈瘤は全頭蓋内動脈瘤において比較的まれなものであるが, 外傷直後またはある時期にしばしば破裂し, 予後不良となる場合があり, 頭部外傷の続発症として重要である. 外傷性脳動脈瘤はウイリス輪より末梢で, 特に前及び中大脳動脈領域に多く, その構造は内膜を欠く偽性動脈瘤が多いといわれる. この中には, 文献上自然治癒するものも認められ, 手術適応に関して問題点もあるが, 一般には, 再破裂を予防するために外科的処置を行うことが原則と考えられている. 今回我々は, 59歳女性と29歳男性の外傷性脳動脈瘤の手術症例を経験したので, 文献的考察を加え報告した.
ISSN:0470-8105