Venous aneurysmと思われたAVMの2症例

AVMの一型として, 血管写上nidusが明らかでなく, 数本の動脈が動脈瘤様の拡張を示した血管を介し, 直接静脈系に注ぐtypeが存在する. このようなAVMはそのほとんどがGalen大静脈系に発生しており, それ以外の部位に認められたという報告はまれである. 我々は, 最近このようなAVMの2症例を経験. 1例には根治術を施行した. 手術例においては, 中大脳動脈よりの2本のfeederをクリップ後, 虚脱したaneurysmを含めての摘出は容易であった. しかし他の1例においては, その巨大なaneurysmが運動領域直下に深く埋没していたため手術を施行しなかった. 摘出したaneury...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 23; no. suppl; p. 84
Main Authors 丸木親, 清水昭, 宮岡誠, 佐藤潔, 石井昌三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1983
Online AccessGet full text
ISSN0470-8105

Cover

More Information
Summary:AVMの一型として, 血管写上nidusが明らかでなく, 数本の動脈が動脈瘤様の拡張を示した血管を介し, 直接静脈系に注ぐtypeが存在する. このようなAVMはそのほとんどがGalen大静脈系に発生しており, それ以外の部位に認められたという報告はまれである. 我々は, 最近このようなAVMの2症例を経験. 1例には根治術を施行した. 手術例においては, 中大脳動脈よりの2本のfeederをクリップ後, 虚脱したaneurysmを含めての摘出は容易であった. しかし他の1例においては, その巨大なaneurysmが運動領域直下に深く埋没していたため手術を施行しなかった. 摘出したaneurysmの病理学的検索にて, これがvenous originであることが推定された. Parkinsonらの報告では, このようなtypeのAVMの頻度は3%とされ, 多くはGalen大静脈系と関与していたとされている. 実験的に作成したA-V fistulaの病理所見報告に対比し, このような特殊なAVMに考案を加えた.
ISSN:0470-8105