頭蓋内・眼窩内に進展し視神経管拡大を示さなかった視神経鞘髄膜腫の2例

視神経管を挟み, 頭蓋内・眼窩内に進展し, 視神経管の拡大を示さなかった視神経鞘髄膜腫の2例を報告した. 〈症例1〉は47才女性で眼球突出を主訴とし, 〈症例2〉は40才女性で視力低下を主訴とした. 両症例とも視神経管撮影およびその断層撮影に異常はなく, 造影CTスキャンにて, 眼窩内および頭蓋内に腫瘍陰影が描出された. 血管撮影では, 〈症例1〉は眼窩内およびparasellar regionに新生血管を認め, 〈症例2〉は眼動脈の圧排偏位が認められた. 2症例ともに手術時, 視神経管を越えて周囲の骨組織への浸潤が確認された. 頭蓋内・眼窩内の両側に進展した髄膜腫においては, 視神経管拡大の...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 22; no. suppl; pp. 222 - 223
Main Authors 松原俊幸, 田中滋也, 福井仁士, 北村勝俊, 岸川高, 渡辺圭子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1982
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Summary:視神経管を挟み, 頭蓋内・眼窩内に進展し, 視神経管の拡大を示さなかった視神経鞘髄膜腫の2例を報告した. 〈症例1〉は47才女性で眼球突出を主訴とし, 〈症例2〉は40才女性で視力低下を主訴とした. 両症例とも視神経管撮影およびその断層撮影に異常はなく, 造影CTスキャンにて, 眼窩内および頭蓋内に腫瘍陰影が描出された. 血管撮影では, 〈症例1〉は眼窩内およびparasellar regionに新生血管を認め, 〈症例2〉は眼動脈の圧排偏位が認められた. 2症例ともに手術時, 視神経管を越えて周囲の骨組織への浸潤が確認された. 頭蓋内・眼窩内の両側に進展した髄膜腫においては, 視神経管拡大の所見が認められなくても, 周囲への骨浸潤の可能性の高いことを強調した.
ISSN:0470-8105