脳静脈性血管腫の1例

脳静脈性血管腫は比較的まれな疾患とされてきたが, 最近では報告例が増加してきた. 我々は, 脳血管撮影で脳静脈性血管腫に特徴的な, いわゆるumbrella signを呈し, 手術を施行し臨症症状が軽快した1例を経験したので報告した. 症例は32才男性. Jackson型発作で発症, CT scanでは, plainで前頭部正中に線状のlow density areaを認め, enhanced CTでは同部がenhanceされた. 脳血管撮影では, 動脈相では異常所見は認められなかったが, 静脈相で右前頭葉に拡張したdraining veinとこれに流入する無数のmedullary veinが...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 22; no. suppl; p. 52
Main Authors 村山享一, 高橋弘, 志村俊郎, 矢部嘉憲, 中澤省三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1982
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Summary:脳静脈性血管腫は比較的まれな疾患とされてきたが, 最近では報告例が増加してきた. 我々は, 脳血管撮影で脳静脈性血管腫に特徴的な, いわゆるumbrella signを呈し, 手術を施行し臨症症状が軽快した1例を経験したので報告した. 症例は32才男性. Jackson型発作で発症, CT scanでは, plainで前頭部正中に線状のlow density areaを認め, enhanced CTでは同部がenhanceされた. 脳血管撮影では, 動脈相では異常所見は認められなかったが, 静脈相で右前頭葉に拡張したdraining veinとこれに流入する無数のmedullary veinが認められた. 循環時間は正常であった. Epilepsyのcontrolができなくなったため, 手術にて血管腫の前方の部分剔出を行った. 術後, 抗痙攣剤でepilepsyはcontrolがついている.
ISSN:0470-8105