3. アンケート調査からみた三重県の輸血管理体制の現状と課題

【はじめに】H21年度から医療監視の際に, 「医療安全管理の確保状況調査票」を用いた, 輸血療法に関する5項目(以下輸血療法5項目)の確認, 指導を行政が実施している. 実施後の輸血管理体制の状況について, 血液製剤使用量が少ない施設を対象に, 三重県輸血療法委員会としてアンケート調査を行なったので報告する. 以前のアンケート調査において, 血液製剤使用量の多い施設では, 輸血療法5項目に関して順守されていたので今回のアンケート調査では除外した. 【方法】H20年度の三重県内の血液製剤の供給量が少ない17施設(全血液製剤供給量が425~1581単位)に, 輸血療法5項目を含む輸血療法に関するア...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 57; no. 3; p. 225
Main Authors 森本誠, 小林章人, 今井重美, 小島精, 信田憲行, 大石晃嗣, 桝屋正浩, 岡宏次, 玉木茂久, 南信行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血・細胞治療学会 2011
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:【はじめに】H21年度から医療監視の際に, 「医療安全管理の確保状況調査票」を用いた, 輸血療法に関する5項目(以下輸血療法5項目)の確認, 指導を行政が実施している. 実施後の輸血管理体制の状況について, 血液製剤使用量が少ない施設を対象に, 三重県輸血療法委員会としてアンケート調査を行なったので報告する. 以前のアンケート調査において, 血液製剤使用量の多い施設では, 輸血療法5項目に関して順守されていたので今回のアンケート調査では除外した. 【方法】H20年度の三重県内の血液製剤の供給量が少ない17施設(全血液製剤供給量が425~1581単位)に, 輸血療法5項目を含む輸血療法に関するアンケート調査を実施し集計を行った. 【結果】17施設中14施設からアンケートを回収した(回収率82.4%). 輸血療法委員会を設置している13施設(92.9%), 輸血責任医師を任命している9施設(64.3%), 輸血管理簿を作成している13施設(92.9%), 交差適合試験を自施設で行っている13施設(92.9%), 血液型検査を採血時期を換えて2回以上実施 10施設(71.4%), 輸血時の患者と輸血バックのダブルチェック実施 13施設(92.9%), 輸血一元管理実施 9施設(64.3%), 輸血検査マニュアル作成 13施設(92.9%), 輸血療法マニュアル作成 11施設(78.6%)であった. 【結語】行政による輸血療法5項目の確認, 指導が実施されているが, 今回のアンケート調査結果では実施率が低い項目が存在した. 今後, 未実施の項目について三重県輸血療法委員会として実施を促していきたい.
ISSN:1881-3011