11. 当院における自己血貯血の現状

【はじめに】当院は開院当初より自己血採血および保管管理は, 血液管理科にて実施している. 自己血貯血の使用状況と, 自己血採血の運用面での問題点を抽出したので報告する. 【対象および方法】平成17年3月から平成18年6月までの16ヶ月間に, 自己血貯血を実施した662件(1254単位)延べ449人を対象とした. 各科の貯血状況, 手術時の自己血及び同種血使用状況, 廃棄血状況について集計した. 【結果】貯血件数手術時使用単位数, 同種血併用件数を各科でみると, 心臓血管外科は237件(463単位), 440単位, 66件(755単位)であった. 整形外科は190件(359単位), 309単位,...

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Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 52; no. 6; p. 736
Main Authors 包国扶美, 西博子, 西森由加里, 岡田由香里, 森田光子, 下村真由美, 今井利
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血・細胞治療学会 2006
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ISSN1881-3011

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Summary:【はじめに】当院は開院当初より自己血採血および保管管理は, 血液管理科にて実施している. 自己血貯血の使用状況と, 自己血採血の運用面での問題点を抽出したので報告する. 【対象および方法】平成17年3月から平成18年6月までの16ヶ月間に, 自己血貯血を実施した662件(1254単位)延べ449人を対象とした. 各科の貯血状況, 手術時の自己血及び同種血使用状況, 廃棄血状況について集計した. 【結果】貯血件数手術時使用単位数, 同種血併用件数を各科でみると, 心臓血管外科は237件(463単位), 440単位, 66件(755単位)であった. 整形外科は190件(359単位), 309単位, 4件(9単位). 泌尿器科は103件(201単位), 197単位, 4件(17単位). 婦人科は110件(195単位), 142単位, 2件(13単位). 産科は18件(31単位), 11単位, 同種血使用なし. 脳外科は4件(5単位), 5単位, 同種血使用なしであった. 廃棄血は全体で118単位あり, 婦人科が43%(51単位)を占めていた. 【運用】電子カルテ上の自己血採血予約枠に各科が入力すると, 血液管理科BLADシステムに情報が入ってくる. 採血予定当日は各科の医師が採血を実施し, 看護師は外来処置部門のメンバーが交代で介助にあたっているが, 依頼医師が採血医師でない場合が多く, 技師は医師との連絡に苦慮しているのが現状である. 【まとめ】当院における手術時の自己血使用率は89%, 同種血併用の手術件数は381件中76件, 心臓血管外科が87%を占めた. 他科は殆んど自己血のみの使用であり自己血貯血は各科有効に実施使用されているとおもわれた. 今後の課題は, 自己血採血面での運用を病院全体で見直し, 自己血採血件数の増加をはかることが重要と考えられた.
ISSN:1881-3011