抗ATLA抗体測定法4法(ELISA法, PA法, IF法及びWB法)間における抗体陽性率の比較検討

〔目的〕抗ATLA抗体測定4法(ELISA法, PA法, IF法及びWB法)間における抗体陽性率の鹿児島県一般健常人での比較検討. 〔対象と方法〕鹿児島県一般健常人518人. 抗ATLA, 抗体の測定:(1)ELISA法(エイテストATL, エーザイ)-Cut off index(CI)3.0以上を陽性, CI1.0未満を陰性. CI11.0以上3.0未満のものには確認試験を施行し, 50%以上の抑制率のみられたものは陽性と判定. (2)PA法(セロディアATLA, 富士レビオ)-8倍以上を陽性と判定. 全例に確認試験を施行し, 非特異反応を除外. (3)間接螢光抗体(IF)法-10倍以上を陽...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 33; no. 2; p. 160
Main Authors 植松俊昭, 花田修一, 岩橋正人, 橋本修治, 藤崎邦夫, 櫻美武彦, 橋口聖一, 新原正明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 1987
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ISSN0546-1448

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Summary:〔目的〕抗ATLA抗体測定4法(ELISA法, PA法, IF法及びWB法)間における抗体陽性率の鹿児島県一般健常人での比較検討. 〔対象と方法〕鹿児島県一般健常人518人. 抗ATLA, 抗体の測定:(1)ELISA法(エイテストATL, エーザイ)-Cut off index(CI)3.0以上を陽性, CI1.0未満を陰性. CI11.0以上3.0未満のものには確認試験を施行し, 50%以上の抑制率のみられたものは陽性と判定. (2)PA法(セロディアATLA, 富士レビオ)-8倍以上を陽性と判定. 全例に確認試験を施行し, 非特異反応を除外. (3)間接螢光抗体(IF)法-10倍以上を陽性と判定. (4)Western blot(WB)法-HTLV-I主要構成蛋白p28, p24, p19のうち, いずれか2本以上のバンドを認めたものを陽性と判定. 上記518検体についてELISA法, PA法及びIF法を施行し, 同時にその中の71検体についてはWB法も施行し, 3法間ないしは4法間の抗ATLA抗体陽性率の比較検討を行なった. 〔結果〕1)3法間の抗ATLA抗体陽性率:ELISA法21.8%(113人/518人), PA法29.9%(155人/518人), IF法19.7%(102人/518人). PA法で64倍以上を示す検体ではELISA法と, また128倍以上を示す検体ではIF法とよく一致し, その一致率は各々100%, 98.6%であった. 一方, PA法で8倍から32倍を示す57検体ではELISA法で80.7%, IF法で91.2%が陰性であった. またPA法で陰性の363検体のうち, ELISA法で4検体, IF法で5検体が陽性であった. 2)4法間の抗ATLA抗体陽性率:PA法で128倍以上を示した検体は4法とも全て一致. 64倍を示した検体はELISA法と100%一致した. 8倍から32倍を示した検体ではELISA法で78.7%, IF法で93.6%, WB法で80.9%が陰性であった. 〔まとめ〕鹿児島県一般健常人の抗ATLA抗体陽性率を, ELISA法, PA法, IF法及びWB法で比較検討した結果PA法では他の3法との間に判定結果の不一致が若干認められた. 特にPA法で8倍から32倍を示す検体の抗体陽性の判定に関しては慎重を要するものと思われる.
ISSN:0546-1448