北陸地区における血清肝炎の現況

われわれは, すでに第13回, 14回の本学会において北陸地区における輸血後血清肝炎発生の実態について報告してきた. それにより, 昭和32年以後急激に増加してきた血清肝炎の発生率が昭和40年後半に至ってようやく減少してきたことを述べた. この原因としてfamily donorsの動員と預血, 献血の推進により輸血血液の選択を行たい, 肝炎virusの感染源の除外に努めたことが一応効を奏したと考えられたのである. その後1年, すなわち昭和41年1月より12月までの間に, 金沢大学第1外科においては, いわゆる預血, 献血血液(以下無償血液と呼ぶ)の使用がさらに増加して, スライドにみられる通...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 14; no. 1; pp. 191 - 192
Main Authors 瀬川安雄, 太田陽一, 卜部美代志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 1967
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Summary:われわれは, すでに第13回, 14回の本学会において北陸地区における輸血後血清肝炎発生の実態について報告してきた. それにより, 昭和32年以後急激に増加してきた血清肝炎の発生率が昭和40年後半に至ってようやく減少してきたことを述べた. この原因としてfamily donorsの動員と預血, 献血の推進により輸血血液の選択を行たい, 肝炎virusの感染源の除外に努めたことが一応効を奏したと考えられたのである. その後1年, すなわち昭和41年1月より12月までの間に, 金沢大学第1外科においては, いわゆる預血, 献血血液(以下無償血液と呼ぶ)の使用がさらに増加して, スライドにみられる通り保存血では無償血液使用量は有償血液使用量の2.1倍, 新鮮血では7.3倍使われるようになり, 使用量全体の68.0%まで無償血液で賄うことができるようになった. 同時に血清肝炎発生率も今までの最低値にまで抑えることができた.
ISSN:0546-1448