EL5 プレゼンテーションの準備
プレゼンテーションにはいくつかの種類がある. まず, 世間一般のプレゼンテーションといえば, 採用や受注, 資金援助を目指して, 自分(達)の企画を説明する行為である. 広告受注, オリンピック招致, などである. 会員の業務の中でいえば, 施設長などへのヒアリングで, 部門の成果を説明し, 予算や人員を獲得する場合のプレゼンテーションがこれにあたる. 比較的短い時間で, 提案を魅力的に示し, 信頼を得るのが目的である. 単なるわかりやすさだけでなく, 先方が心動かされるような魅力(利益)を提示する必要がある. 一方, 会員の多くが思い浮かべるのは学会発表であろう. 5分から10分程度で, 研...
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Published in | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 Vol. 14; no. 3; p. 293 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会
2010
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Summary: | プレゼンテーションにはいくつかの種類がある. まず, 世間一般のプレゼンテーションといえば, 採用や受注, 資金援助を目指して, 自分(達)の企画を説明する行為である. 広告受注, オリンピック招致, などである. 会員の業務の中でいえば, 施設長などへのヒアリングで, 部門の成果を説明し, 予算や人員を獲得する場合のプレゼンテーションがこれにあたる. 比較的短い時間で, 提案を魅力的に示し, 信頼を得るのが目的である. 単なるわかりやすさだけでなく, 先方が心動かされるような魅力(利益)を提示する必要がある. 一方, 会員の多くが思い浮かべるのは学会発表であろう. 5分から10分程度で, 研究や臨床経験を学会場で提示する. 当然のことながら, 学会発表においては, まずは内容である. 背景・仮説・方法・結果・考察がはっきりしていていれば, それをより明確に伝えることがプレゼンテーション作りとなる. (鈴木亨「学会発表の基本テクニック」(義肢装具学会誌26巻1号)などを参照されたい). しかし, 多くの臨床系の会員では, 臨床報告(後方視的検討), 症例報告が多く, 施設に指導者がいない場合もある. エントリー前に, 充分に検討した研究計画を立てることができなかった場合には, プレゼンテーションを作ることで客観的に検討する方法もある(昨年のmeet the mentor). 目的とデータ, あるいは症例のどこに発表意義があるのか, 論理の流れに問題があれば, カルテや参考文献サーチに立ち戻ってでも修正してゆく. (もちろんこれは推奨ではなく, 次年度より早くきちんと準備するためのお勉強である) 第三の型のプレゼンテーションとして, 当学会の会員であれば, 施設内や地域でレクチャーをする場合が多いと思われる. レクチャーは, 第一の型のプレゼンテーションと違い, その場だけ魅了するのが目的ではない. レクチャーの結果, 聴衆の翌日からのお仕事に役立てていただかないといけないのである. 聴いた人が, あとで誰かに, 「面白かったよ」だけでなく, 「○○は××なんだって」と, 具体的なことを語れるようになるように, というのも一つの目標ラインである. そのためには, 聴衆のバックグラウンド(職種・経験年数・働く場・知識量), 主催者の趣旨, どんなアナウンスをして募集したのか, 等をできるだけ調査してそれに合わせて準備する. 構成についても, 実習や体験を入れたほうが良さそうなら, めんどうがらず実現の方法を考える. 紙面やPC画面との違いである, 臨場感と双方向性の要素を考慮した構成でありたい. なお, 今回は聴衆数が多く, バックグラウンドも多岐にわたり, 期待の内容の幅も広い, レクチャーとしてはまとまりにくい条件がそろっている. かつ演者は早口が欠点で, 「緩」急をつけるのが今の課題である. この条件下で, 本講演を, 他山の石とするくらいのつもりでお集まり願えると幸いである. |
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ISSN: | 1343-8441 |