臨床実習成績の優劣を左右する因子の分析
臨床実習における教育評価は極めて重要な意味をもっているが, その妥当性と信頼性に関しては, 多くの問題点を含んでいる. 宮本らは臨床実習成績に関して, 臨床実習指導者(以下:SV)間の評定差は著しく, 実質的な信頼性はないと結論付けている. これら問題点を解決するためには, SV自身が教育をより深く学ぶことや, 適切な絶対評価における基準化への研究を急ぐこと等が挙げられる. しかし, 臨床実習の評価である限りSVの主観的判断を均一化することは不可能である. 特に, 態度成績に関しては, 個々のSVがどの様な「心」で学生を捉えたかに規定されるため, 絶対評価への移行は難しく, むしろ, SVの主...
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Published in | 理学療法学 Vol. 25; no. suppl-2; p. 263 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本理学療法士協会
1998
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ISSN | 0289-3770 |
Cover
Summary: | 臨床実習における教育評価は極めて重要な意味をもっているが, その妥当性と信頼性に関しては, 多くの問題点を含んでいる. 宮本らは臨床実習成績に関して, 臨床実習指導者(以下:SV)間の評定差は著しく, 実質的な信頼性はないと結論付けている. これら問題点を解決するためには, SV自身が教育をより深く学ぶことや, 適切な絶対評価における基準化への研究を急ぐこと等が挙げられる. しかし, 臨床実習の評価である限りSVの主観的判断を均一化することは不可能である. 特に, 態度成績に関しては, 個々のSVがどの様な「心」で学生を捉えたかに規定されるため, 絶対評価への移行は難しく, むしろ, SVの主観的判断内容を客観的に分析する方が重要と考えられる. 今回, 本校の臨床実習関係者に実施した心理テストの結果を中心に態度成績との関連性を客観的に検討したので報告する. |
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ISSN: | 0289-3770 |