特異な側臥位をとる重症心身障害者3症例の側彎

重症心身障害児・者施設入所者の約半数に有するといわれる側彎は, 姿勢保持のみならず呼吸, 摂食機能にも大きな影響を与え, その対応が急務になっている現在一般的になっている点は, (1)移動能力の低い人ほど側彎が多い, (2)思春期を過ぎても進行する, (3)性差がみられない, (4)シングルカーブが多い, (5)股関節脱臼を合併することが多い, などである. 承知のとおり, 重症心身障害児・者は, いわゆる歩く重症児・者から呼吸管理を必要とする超重症児・者まで多岐に亘っている. 従って, 側彎については, 特徴的な障害毎に検討する必要がある. 今回は, 通称ライオンスタイルという特異な右側臥位...

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Published in理学療法学 Vol. 24; no. suppl-2; p. 20
Main Authors 宮崎泰, 松村伸次, 米山明, 柳迫康夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士協会 1997
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ISSN0289-3770

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Summary:重症心身障害児・者施設入所者の約半数に有するといわれる側彎は, 姿勢保持のみならず呼吸, 摂食機能にも大きな影響を与え, その対応が急務になっている現在一般的になっている点は, (1)移動能力の低い人ほど側彎が多い, (2)思春期を過ぎても進行する, (3)性差がみられない, (4)シングルカーブが多い, (5)股関節脱臼を合併することが多い, などである. 承知のとおり, 重症心身障害児・者は, いわゆる歩く重症児・者から呼吸管理を必要とする超重症児・者まで多岐に亘っている. 従って, 側彎については, 特徴的な障害毎に検討する必要がある. 今回は, 通称ライオンスタイルという特異な右側臥位(頸部~体幹を過剰に立ち直らせ, 右側上肢~右体側~両股関節内転・屈曲位, 両膝関節屈曲位の下肢で支持した右側臥位)を常時とる重度精神運動発達遅滞の3名の側彎について検討したので報告する.
ISSN:0289-3770