麻痺性構音障害に対するpre-speech therapyの応用

脳血管障害による片麻痺患者に対し, 身体の問題はPT・OT, 言葉の問題はSTと, 別々に携わる事が多い. しかし, 話す為の器官は, 呼吸し, 食事する為の器官としても機能しており区別は難しい. 麻痺性構音障害では流涎の問題も生じ, 精神的負担につながる. そこで“speech”を運動機能としてとらえ, 口周辺・口腔内機能の向上を計った一症例について報告する. <症例>:脳血栓による右片麻痺の男性. 55才. 昭和57年4月22日発症(53才)<初期評価>:(1)口周辺の状態:筋緊張は, 安静時・運動時とも低く両側口角は下がり, 開口して常に流涎を観察した. 随意運動は頸伸筋で代償していた....

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Published in理学療法学 Vol. 11; no. 6; p. 377
Main Authors 川口祥子, 前田文夫, 白子まゆみ, 坂口勇人, 大目恵里子, 嶋田裕之, 出川則子, 加藤千香子, 瀬谷健治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士協会 1984
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Summary:脳血管障害による片麻痺患者に対し, 身体の問題はPT・OT, 言葉の問題はSTと, 別々に携わる事が多い. しかし, 話す為の器官は, 呼吸し, 食事する為の器官としても機能しており区別は難しい. 麻痺性構音障害では流涎の問題も生じ, 精神的負担につながる. そこで“speech”を運動機能としてとらえ, 口周辺・口腔内機能の向上を計った一症例について報告する. <症例>:脳血栓による右片麻痺の男性. 55才. 昭和57年4月22日発症(53才)<初期評価>:(1)口周辺の状態:筋緊張は, 安静時・運動時とも低く両側口角は下がり, 開口して常に流涎を観察した. 随意運動は頸伸筋で代償していた.
ISSN:0289-3770