成人日帰り手術と術後痛の検討
当院では成人の日帰り手術をプロポフォールによる全身麻酔で行っており, 術後痛への対策として執刀前からのフルルビプロフェンの静注および皮切部への浸潤麻酔を併用している. 今回, 術後痛を鎮痛薬の使用の有無から検討した. 【方法】成人日帰り手術145例を日帰り手術センターにおける術後鎮痛薬の使用の有無により2群に分け, 年齢, 性別, 身長, 体重, 術式, 手術時間, 麻酔時間, プロポフォールおよびフェンタニルの使用量, 術後滞在時間, 術後入院について比較検討した. 【結果】使用群27例, 未使用群118例であり, 手術時間, 麻酔時間は使用群で有意に長かった. 術式では鼠径ヘルニア根治術で...
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Published in | 日本ペインクリニック学会誌 Vol. 7; no. 3; p. 166 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本ペインクリニック学会
2000
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ISSN | 1340-4903 |
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Summary: | 当院では成人の日帰り手術をプロポフォールによる全身麻酔で行っており, 術後痛への対策として執刀前からのフルルビプロフェンの静注および皮切部への浸潤麻酔を併用している. 今回, 術後痛を鎮痛薬の使用の有無から検討した. 【方法】成人日帰り手術145例を日帰り手術センターにおける術後鎮痛薬の使用の有無により2群に分け, 年齢, 性別, 身長, 体重, 術式, 手術時間, 麻酔時間, プロポフォールおよびフェンタニルの使用量, 術後滞在時間, 術後入院について比較検討した. 【結果】使用群27例, 未使用群118例であり, 手術時間, 麻酔時間は使用群で有意に長かった. 術式では鼠径ヘルニア根治術で鎮痛薬の使用例が多く, 下肢静脈瘤抜去術では鎮痛薬の使用例はなかった. 術後入院の3例は全て使用群であった. 【結論】術後鎮痛薬の使用は手術時間, 術式に影響される. 術後痛の制御が日帰り手術の成否の鍵となる. |
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ISSN: | 1340-4903 |