進行性の急激な運動麻痺を来たしたCRPSI型の2症例

<症例1> 45才女性, H5年7月軽い追突事故の翌日から左腰部・臀部・大腿部に灼けるような持続性の疼痛出現. 発症1ヵ月後, 患肢は尖足となった. <症例2> 27才男性, H9年4月追突事故で右肩頚部痛, しびれ発現. Hl0年5月より, 高熱, 左上肢痛, 脱力出現. 8月にはほぼ完全な左上肢運動麻痺を来たした. <経過> 症例1は, 交感神経ブロック, 2はステロイド大量内服等で一時症状軽減したものの, 結局知覚異常, 筋力低下の同側への拡大が生じた. 各々臀部, 腕神経叢部に強い圧痛があったが, 器質的異常は検出されず, 磁気刺激で異常はなかった....

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 6; no. 3; p. 75
Main Authors 江口千恵子, 池田耕自, 中村千里, 具志堅隆, 吉村 望
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペインクリニック学会 1999
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ISSN1340-4903

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Summary:<症例1> 45才女性, H5年7月軽い追突事故の翌日から左腰部・臀部・大腿部に灼けるような持続性の疼痛出現. 発症1ヵ月後, 患肢は尖足となった. <症例2> 27才男性, H9年4月追突事故で右肩頚部痛, しびれ発現. Hl0年5月より, 高熱, 左上肢痛, 脱力出現. 8月にはほぼ完全な左上肢運動麻痺を来たした. <経過> 症例1は, 交感神経ブロック, 2はステロイド大量内服等で一時症状軽減したものの, 結局知覚異常, 筋力低下の同側への拡大が生じた. 各々臀部, 腕神経叢部に強い圧痛があったが, 器質的異常は検出されず, 磁気刺激で異常はなかった. <考察及びまとめ> 本症例の運動麻痺はRSDにおける栄養障害, 痛みによる廃用性萎縮とは明らかに異なる. 運動神経系自体に異常が認められないことから異常感覚, 痛みと同様中枢性機序が示唆された.
ISSN:1340-4903