3. 間歇性跛行に対するカテーテル治療
「間歇性跛行症例に対するカテーテル治療(イントロダクション)」間歇性跛行患者に対する治療目標は患者のQOL改善であり, 治療戦略は患者自覚症状と合併病変により異なる. まず, 前提となる薬物療法(シロスタゾール服薬)と運動療法(監視下運動療法:1日30分から1時間, 1週間に3回, 3~6週間監視下にて継続する)は全症例に適応とされる1)2)が, これらの治療で自覚症状改善や消失が認められない場合のみ血行再建術の適応となる. 間歇性跛行の跛行距離延長についてはさまざまな内服薬での報告があるが, シロスタゾールが最も高いエビデンスを有し, まず試されるべき内服薬である1)2). 血行再建術につい...
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Published in | 心臓 Vol. 42; no. 3; pp. 295 - 301 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本心臓財団
2010
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Summary: | 「間歇性跛行症例に対するカテーテル治療(イントロダクション)」間歇性跛行患者に対する治療目標は患者のQOL改善であり, 治療戦略は患者自覚症状と合併病変により異なる. まず, 前提となる薬物療法(シロスタゾール服薬)と運動療法(監視下運動療法:1日30分から1時間, 1週間に3回, 3~6週間監視下にて継続する)は全症例に適応とされる1)2)が, これらの治療で自覚症状改善や消失が認められない場合のみ血行再建術の適応となる. 間歇性跛行の跛行距離延長についてはさまざまな内服薬での報告があるが, シロスタゾールが最も高いエビデンスを有し, まず試されるべき内服薬である1)2). 血行再建術についてはカテーテル治療(endovascular therapy;EVT)と外科的バイパス術があり, また対象血管も大動脈-腸骨動脈領域, 大腿膝窩動脈領域, 膝下動脈領域に分かれる. 膝下動脈領域に対するEVTは重症虚血肢症例のみに限られるため, 前者2領域の治療適応については, 患者自覚症状, 全身状態, 予後も含めていずれの血行再建術を施行するべきか熟考すべきである. |
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ISSN: | 0586-4488 |