効果的な保健指導の戦略はどうあるべきか―産業看護の立場から

「1. 保健指導の捉え方」産業看護における健康支援は, 単に対象者が“病気で休まない”ということではなく, “心身ともに健康で生き生きとした労働生活を営めるか”という視点で行っている. 現在の産業保健での健康問題は「メンタルヘルス」「過重労働」「生活習慣病(メタボリックシンドローム)」であるが, これらの問題は“労働”を中心に密接に関連し合っている. 例えば, 業務量の多さから, ストレスがたまり, 飲酒量が多く肝機能障害を引き起こしたり, 仕事のために帰宅時間が遅くなり, 遅い夕食の摂取から肥満を引き起こしたりするなどがそうである. よって, 「生活習慣病」も「労働生活習慣病」と言っても過言...

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Published in日本看護科学会誌 Vol. 28; no. 1; pp. 83 - 84
Main Author 五十嵐千代
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護科学学会 20.03.2008
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ISSN0287-5330

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Summary:「1. 保健指導の捉え方」産業看護における健康支援は, 単に対象者が“病気で休まない”ということではなく, “心身ともに健康で生き生きとした労働生活を営めるか”という視点で行っている. 現在の産業保健での健康問題は「メンタルヘルス」「過重労働」「生活習慣病(メタボリックシンドローム)」であるが, これらの問題は“労働”を中心に密接に関連し合っている. 例えば, 業務量の多さから, ストレスがたまり, 飲酒量が多く肝機能障害を引き起こしたり, 仕事のために帰宅時間が遅くなり, 遅い夕食の摂取から肥満を引き起こしたりするなどがそうである. よって, 「生活習慣病」も「労働生活習慣病」と言っても過言ではない. このようなことからも産業看護の対象である労働者への効果的な保健指導を展開するには, 対象者の“労働”をしっかりと捉えていなければ, 単にうわべだけの保健指導となり, 成果に結びつかなくなってくる.
ISSN:0287-5330