2. ダイオキシン類の作業環境測定における問題点

基発第401号では, ダイオキシン類濃度と粉じん濃度の併行測定から求めたD値を使い, 各点での粉じん濃度をダイオキシン類濃度に換算して評価する. これは, ダイオキシン類のほとんどは集塵灰などの粉じん起因であることが前提となっている. 焼却炉における作業環境測定のほとんどは基発第401号に従った評価で問題ないと考えられるが, 解体作業などダイオキシン類と粉じんの発生源が異なり(炉内付着物と耐火物等), その分離が困難である場合などには実態と異なる評価をしていると考えられるケースがある. また, 粉じん濃度測定には多くの場合デジタル粉じん計を用いるが, 検出感度が大きく異なる型式のものを混在して...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 47; no. 5; p. 232
Main Authors 黒岩猛, 斉藤忠臣, 片岡美雪, 谷崎定二, 花田喜文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.09.2005
公益社団法人日本産業衛生学会
Japan Society for Occupational Health
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ISSN1341-0725

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Summary:基発第401号では, ダイオキシン類濃度と粉じん濃度の併行測定から求めたD値を使い, 各点での粉じん濃度をダイオキシン類濃度に換算して評価する. これは, ダイオキシン類のほとんどは集塵灰などの粉じん起因であることが前提となっている. 焼却炉における作業環境測定のほとんどは基発第401号に従った評価で問題ないと考えられるが, 解体作業などダイオキシン類と粉じんの発生源が異なり(炉内付着物と耐火物等), その分離が困難である場合などには実態と異なる評価をしていると考えられるケースがある. また, 粉じん濃度測定には多くの場合デジタル粉じん計を用いるが, 検出感度が大きく異なる型式のものを混在して使用している場合があり, 型式により, 同じ職場であっても換算したダイオキシン類濃度が10倍程度異なるケースがある. これらの問題を踏まえ, より実態に即した評価を行うためにはダイオキシン類濃度の全点測定が必要と考え, 簡易サンプリングによる評価方法を検討し, 適用の可能性を得た.
ISSN:1341-0725