5.乳腺管状癌の1症例

乳腺管状癌は1984年乳癌取り扱い規約第7版で, 新しい浸潤癌特殊型として採用された稀な癌であり, その頻度は全乳癌の約1%程度とされている. 今回我々は, 管状癌の1症例を経験したので報告する. 症例:51歳, 女性, 主訴:左乳房腫瘤, 現病歴:平成12年5月頃に左乳房のしこりに気づくも放置していた. 12月になり癌に対する不安が強くなり来院した. 所見:乳腺D領域に1.5×1.4cm大の弾性硬の境界不鮮明な腫瘤を触れ, 皮膚陥凹とdimplingを認めた. MGではspiculaを伴う濃厚陰影, 乳腺超音波では底面エコーの欠損を伴う中空像を認め, 3者ともに乳癌の診断であった. 念のため...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 53; no. 2; p. 210
Main Authors 倉林誠, 星野和男, 仲村匡也, 清水尚, 黒住昌史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.05.2003
Kitakanto Medical Society
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ISSN1343-2826

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Summary:乳腺管状癌は1984年乳癌取り扱い規約第7版で, 新しい浸潤癌特殊型として採用された稀な癌であり, その頻度は全乳癌の約1%程度とされている. 今回我々は, 管状癌の1症例を経験したので報告する. 症例:51歳, 女性, 主訴:左乳房腫瘤, 現病歴:平成12年5月頃に左乳房のしこりに気づくも放置していた. 12月になり癌に対する不安が強くなり来院した. 所見:乳腺D領域に1.5×1.4cm大の弾性硬の境界不鮮明な腫瘤を触れ, 皮膚陥凹とdimplingを認めた. MGではspiculaを伴う濃厚陰影, 乳腺超音波では底面エコーの欠損を伴う中空像を認め, 3者ともに乳癌の診断であった. 念のためCNBで確定診断し乳房温存手術(Bq(60°, 2cm)+Ax+lc)を行った. 病理診断は乳腺管状癌(puretype)ly0, v0, n0であった. 術後残乳照射をし, その後follow upのみで現在術後2年5ヵ月健存中である.
ISSN:1343-2826