第27回 日本脳神経超音波学会体験記

第27回日本脳神経超音波学会が平成20年4月24日から25日に東京女子医大神経内科教授内山真一郎会長のもと東京シェーンバッハ・サボーを会場として開催されました. 学会前日の4月23日には恒例のハンズオンセミナーが午後の4時間30分を使って行われました. 全国より錚々たる講師陣が招集され, 受講者との熱いバトルが繰り広げられました. 本会では, 内山会長が掲げられた中心テーマ「超音波検査による血管イベントのリスク管理」のもと超音波検査の重要性が再認識される内容が盛りだくさんでした. まず特別講演では, H. Markuss先生より脳梗塞急性期のCARESS studyを中心とした抗血小板薬のTC...

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Published inNeurosonology Vol. 21; no. 1; p. 55
Main Author 坂口学
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経超音波学会 31.07.2008
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ISSN0917-074X

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Summary:第27回日本脳神経超音波学会が平成20年4月24日から25日に東京女子医大神経内科教授内山真一郎会長のもと東京シェーンバッハ・サボーを会場として開催されました. 学会前日の4月23日には恒例のハンズオンセミナーが午後の4時間30分を使って行われました. 全国より錚々たる講師陣が招集され, 受講者との熱いバトルが繰り広げられました. 本会では, 内山会長が掲げられた中心テーマ「超音波検査による血管イベントのリスク管理」のもと超音波検査の重要性が再認識される内容が盛りだくさんでした. まず特別講演では, H. Markuss先生より脳梗塞急性期のCARESS studyを中心とした抗血小板薬のTCD(MES)による評価の経緯や重要性を, S, Homma先生にはPFOとstrokeやmigraine, PFO closureの有効性について最新の知見を講演頂き, 非常に興味深く拝聴することができました. 初日のシンポジウムでは, 血栓溶解療法や周術期の治療モニターとしての超音波法の利用実績が報告され, 今後の各施設での臨床応用に非常に参考になったと思われます. 2日目のシンポジウムでは, ガイドラインの現状が報告されましたが, まだまだ改善していかないといけない点が多くあることが確認されました. 個人的には本会の最後に行われた「神経・筋疾患」のシンポジウムが印象的で, 神経超音波検査のこの分野での利用法もかなり確立されてきていることが再認識させられました. まだまだ一部でしか応用されていないこの分野についてもハンズオンセミナーに組み入れるなど, 普及に努めていくことの重要性も感じました. 2日目の午後に行われた機関誌「Neurosonology」20周年記念講演では, 東京慈恵会医科大学の古幡先生より本学会の創生期から今後の超音波法の展望まで, 特に創生期の諸先輩の意気盛んな雰囲気を, 詳しく引き込まれる様な語り口でお話し頂き, 今後の本学会の発展に貢献することに更に意を強くされた会員の方も多かったと思います. 総会では, 来年度から念願の日本脳神経超音波学会認定脳神経超音波検査士制度発足のアナウンスがありました. この制度の確立は, 脳神経超音波検査に携わる方の励みになり, またそのすそ野を広げることに大きく寄与することになると思います. 総会では最優秀論文の表彰もあり, 今年は“Jellyfish sign”を提唱された日比野病院の久米伸治先生が受賞されました. 頸動脈プラーク画像の詳細な観察が生んだすばらしい論文が選ばれたと思います. 一般演題にも非常に興味深い演題が並んでおり, 発表が行われた2会場で題shoppingするのに大変でした. 学会全体を通じて, 内山会長や教室の皆様のこの分野にかける熱意や参加者に対する心配りが行き届いていたすばらしい学会だったと思います. 本当に有難うございました.
ISSN:0917-074X