P-15. 歯科治療へのアロマセラピー応用と患者不安の変化に関する研究

近年, アロマセラピーは医療・介護・福祉の現場で注目され, 患者ケアへの導入やアロマセラピー外来開設等, 医療従事者によるアロマセラピーの成果が報告されている. 今回我々は歯科医療への導入を目的に, 歯科治療時における患者の不安を軽減する補完療法としてアロマセラピーの有効性を検討した. アロマセラピー法としては, ラベンダー精油溶液を浸潤させた湿式シートを治療時に患者の両目を覆うように静置する精油吸入法を用いた. 本学附属病院第三総合診療科に来院した患者をアロマセラピー導入グループ(AT)と非導入グループ(Non-AT)に分け, アンケート調査とProfile of Mode Status(P...

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Published in九州歯科学会雑誌 Vol. 61; no. 4/5; pp. 145 - 146
Main Authors 吉田真理, 藤本陽子, 北村知昭, 永吉雅人, 諸冨孝彦, 波多野圭紀, 寺下正道
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州歯科学会 25.11.2007
Kyushu Dental Society
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ISSN0368-6833

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Summary:近年, アロマセラピーは医療・介護・福祉の現場で注目され, 患者ケアへの導入やアロマセラピー外来開設等, 医療従事者によるアロマセラピーの成果が報告されている. 今回我々は歯科医療への導入を目的に, 歯科治療時における患者の不安を軽減する補完療法としてアロマセラピーの有効性を検討した. アロマセラピー法としては, ラベンダー精油溶液を浸潤させた湿式シートを治療時に患者の両目を覆うように静置する精油吸入法を用いた. 本学附属病院第三総合診療科に来院した患者をアロマセラピー導入グループ(AT)と非導入グループ(Non-AT)に分け, アンケート調査とProfile of Mode Status(POMS)短縮版を用いた治療前後の患者気分変化の分析を行った. POMSによる心理・気分変化の分析では, 両グループの緊張-不安は, 治療後にはともに減少していたが, 治療前後の変化量を比較したところ, Non-ATに比べATでは緊張-不安の減少量は有意に大きかった. アロマセラピーの一方法である精油吸入法を歯科治療時に導入することにより, 歯科治療特有の患者の不安・緊張が軽減され, 患者主体の歯科医療におけるメディカル・アロマセラピーの有効性が示唆された.
ISSN:0368-6833