12. 口腔扁平上皮癌細胞のRANKの発現とその機能解析

我々は口腔扁平上皮癌(OSCC)が発現する破骨細胞分化因子RANKLの受容体RANKの役割について検討した. (1)手術で切除した顎骨標本, OSCC細胞株BHY細胞およびB88細胞のRANKの発現を免疫染色およびRT-PCR法で検討した. (2)BHY細胞およびB88細胞をRANKLで刺激し, NF-BおよびERKの活性化を検討した. (3)トランスウェル上層でB88細胞を培養し, 下層にRANKLを添加して24時間後に下層に移動した細胞を数えた. (4)ヌードマウスの咬筋からB88細胞を接種した後, OPG(2μg/匹)を週3回, 3週間接種した. (1)ヒトOSCC, BHY細胞およびB...

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Published in九州歯科学会雑誌 Vol. 61; no. 4/5; pp. 127 - 128
Main Authors 自見英治郎, 増田 渉, 松尾 拡
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州歯科学会 25.11.2007
Kyushu Dental Society
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ISSN0368-6833

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Summary:我々は口腔扁平上皮癌(OSCC)が発現する破骨細胞分化因子RANKLの受容体RANKの役割について検討した. (1)手術で切除した顎骨標本, OSCC細胞株BHY細胞およびB88細胞のRANKの発現を免疫染色およびRT-PCR法で検討した. (2)BHY細胞およびB88細胞をRANKLで刺激し, NF-BおよびERKの活性化を検討した. (3)トランスウェル上層でB88細胞を培養し, 下層にRANKLを添加して24時間後に下層に移動した細胞を数えた. (4)ヌードマウスの咬筋からB88細胞を接種した後, OPG(2μg/匹)を週3回, 3週間接種した. (1)ヒトOSCC, BHY細胞およびB88細胞はRANKを発現していた. (2)BHY細胞およびB88細胞をRANKLで刺激するとNF-κBおよびERKが活性化された. (3)B88細胞をRANKLで刺激すると上層から下層へ移動した, (5)ヌードマウスにB88細胞を接種後, OPGを局所投与すると顎骨浸潤の抑制と腫瘍の縮小が認められた. RANKLは口腔扁平上皮癌細胞のChemotaxis Factorである可能性が示唆された.
ISSN:0368-6833