NEO Iris(TM) (IMMUCOR) を用いた抗A/B抗体価測定
「要旨」【はじめに】IMMUCOR NEO Iris(以下, Iris)は, 直接凝集法及びIgG抗体を特異的に測定する固相法(以下, Capture法)を原理とする装置である. 今回, Irisを用いて抗A/B抗体価測定の有用性評価を行った. 【方法】希釈精度はOrange Gをサンプルとし, IgM抗体価測定時の希釈系列を吸光度測定して評価した. 同時再現性は10重測定, 日差再現性は5日間の測定で評価した. 相関は検査依頼のあった残余検体64検体を用いて試験管法と比較した. 試験管法はIgM抗体価では生理食塩液法を行い, IgG抗体価はIAT法(DTT処理後反応増強剤無添加37℃60分)...
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Published in | 医学検査 Vol. 74; no. 3; pp. 512 - 520 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床衛生検査技師会
25.07.2025
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ISSN | 0915-8669 |
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Summary: | 「要旨」【はじめに】IMMUCOR NEO Iris(以下, Iris)は, 直接凝集法及びIgG抗体を特異的に測定する固相法(以下, Capture法)を原理とする装置である. 今回, Irisを用いて抗A/B抗体価測定の有用性評価を行った. 【方法】希釈精度はOrange Gをサンプルとし, IgM抗体価測定時の希釈系列を吸光度測定して評価した. 同時再現性は10重測定, 日差再現性は5日間の測定で評価した. 相関は検査依頼のあった残余検体64検体を用いて試験管法と比較した. 試験管法はIgM抗体価では生理食塩液法を行い, IgG抗体価はIAT法(DTT処理後反応増強剤無添加37℃60分)を行った. 【結果】Irisの希釈精度は128倍まで検討し, 誤差は1管差未満であった. 同時再現性及び日差再現性はいずれも2管差以内の変動であった. 相関における1管差以内の一致率は, IgM抗体価では100%, IgG抗体価ではDTT未処理血漿で89%, DTT処理血漿で98%であった. ただし, IgG抗体価の相関において, 特定患者で乖離を認めた. Capture法ではDTT未処理血漿とDTT処理血漿の差は1管差程度であった. 【考察】Capture法はIgG抗体に対する特異性が高く, 抗体価測定において必ずしも血漿のDTT処理を必要としなかった. Irisは自動希釈機能を有し, 試験管法と一致率が高く, 抗A/B抗体価測定において有用であった. |
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ISSN: | 0915-8669 |