H-1肢体不自由児通園施設「すぎのこルーム」退園児の追跡調査

肢体不自由児通園施設「すぎのこルーム」は設立以来8年目を迎えた. 今回我々は, 昭和62年8月31日までに当園を退園した児童について以下の7項目についてアンケート調査を行い, 各児が現在直面している問題点と両親の意見を分析し, 今後の通園施設のあり方について検討した. アンケート項目:(1)現在の主な移動方法. (2)現在の訓練の場所と頻度. (3)現在, 特に日常生活で工夫していること. (4)通学していて困ること. (5)現在身体的に一番心配していること. (6)将来本児に対して, 社会に対して最も期待すること. (7)今後の「すぎのこルーム」への希望. この調査結果と在園時の資料を比較検...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 25; no. 6; p. 452
Main Author 亀ヶ谷真琴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.11.1988
社団法人日本リハビリテーション医学会
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
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ISSN0034-351X

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Summary:肢体不自由児通園施設「すぎのこルーム」は設立以来8年目を迎えた. 今回我々は, 昭和62年8月31日までに当園を退園した児童について以下の7項目についてアンケート調査を行い, 各児が現在直面している問題点と両親の意見を分析し, 今後の通園施設のあり方について検討した. アンケート項目:(1)現在の主な移動方法. (2)現在の訓練の場所と頻度. (3)現在, 特に日常生活で工夫していること. (4)通学していて困ること. (5)現在身体的に一番心配していること. (6)将来本児に対して, 社会に対して最も期待すること. (7)今後の「すぎのこルーム」への希望. この調査結果と在園時の資料を比較検討した. その結果, 移動能力の推移と現在の訓練状況から, 運動面では, 在園時に行ったPT OTからの訓練指導内容が必ずしも養護学校の訓練に生かされておらず, 今後相互の協力が必要と思われた. また, 今後の通園施設における保育 訓練面においては, 親とスタッフとの話し合いの時間を多く持ち, 両者の深い信頼関係が必要であり, そのためには医師による「障害の受容」に関するカウンセリングと, それに対するスタッフの側面からの援助が不可欠であると思われた.
ISSN:0034-351X