作用点から見た農薬科学の新展開

平成23年度の日本農薬学会大会の開催は中止となったが, シンポジウム講演は要旨集に掲載された範囲で行われたとの前提でご講演者にミニレビューの執筆を依頼し, 新しい知見を取り入れた原稿を寄稿していただいた. 本シンポジウムは, 主として新農薬の作用点研究と作用点に関連する基礎研究の紹介を意図して企画したものであり, 作用点をキーワードとして, 農薬研究開発の現場と基礎研究を調和させることを目論んだ. 農薬の研究開発の立場から考えると, 特許や天然物をリードとする新規化合物については, 作用点がわかっていれば, それを利用した合成展開が可能となるし, 抵抗性や耐性問題に対するリスクを事前に把握する...

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Published inJournal of Pesticide Science Vol. 36; no. 4; p. 510
Main Authors 清水力, 宮下正弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農薬学会 2011
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ISSN1348-589X

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Summary:平成23年度の日本農薬学会大会の開催は中止となったが, シンポジウム講演は要旨集に掲載された範囲で行われたとの前提でご講演者にミニレビューの執筆を依頼し, 新しい知見を取り入れた原稿を寄稿していただいた. 本シンポジウムは, 主として新農薬の作用点研究と作用点に関連する基礎研究の紹介を意図して企画したものであり, 作用点をキーワードとして, 農薬研究開発の現場と基礎研究を調和させることを目論んだ. 農薬の研究開発の立場から考えると, 特許や天然物をリードとする新規化合物については, 作用点がわかっていれば, それを利用した合成展開が可能となるし, 抵抗性や耐性問題に対するリスクを事前に把握することができる. もちろん, 新規作用点をターゲットとする薬剤を開発することが最良の道であるので, ランダムスクリーニングの価値は依然として高いが, 既知作用点をターゲットとする薬剤の場合には, その作用点を詳しく知ることで新たな展開が可能となる.
ISSN:1348-589X