Metaphyseal Chondrodysplasia Schmid Typeの1例

低身長, O脚を主訴とする, metaphyseal chondrodysplasia Schmid typeを経験した. 四肢短縮の小人症であるこの疾患は, クル病, その他の骨系統疾患と類似し, 低身長, O脚, 内反股を呈し, X線学的には, 四肢長管骨のmetaphysisが漏斗状を呈し, 骨端軟骨線に接した部位では, flaring, cupping, irregularityを示していた. 変形は, 大腿骨近位及び遠位端, 脛骨近位及び遠位端, 上腕骨近位端, 橈骨遠位端に認められた. 手指骨の短縮はなく, 手根骨における骨年齢も正常であった. 頭蓋骨では, 冠頭蓋などの異常はなく...

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Published in川崎医学会誌 Vol. 14; no. 2; pp. 291 - 295
Main Authors 西下淑文, 長谷川徹, 井上猛, 山野慶樹, 渡辺良
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 川崎医学会 1988
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Summary:低身長, O脚を主訴とする, metaphyseal chondrodysplasia Schmid typeを経験した. 四肢短縮の小人症であるこの疾患は, クル病, その他の骨系統疾患と類似し, 低身長, O脚, 内反股を呈し, X線学的には, 四肢長管骨のmetaphysisが漏斗状を呈し, 骨端軟骨線に接した部位では, flaring, cupping, irregularityを示していた. 変形は, 大腿骨近位及び遠位端, 脛骨近位及び遠位端, 上腕骨近位端, 橈骨遠位端に認められた. 手指骨の短縮はなく, 手根骨における骨年齢も正常であった. 頭蓋骨では, 冠頭蓋などの異常はなく, また, 脊椎, 肋骨, 骨盤骨に著変は認めなかった. 血清Ca値, 血清P値などの血清生化学検査等異常なく, metaphyseal chondrodysplasia Schmid typeと診断した. O脚矯正の目的で両側脛骨骨切り術, 両側大腿骨骨切り術が施行された. 現在, O脚, 内反股は矯正されているものの低身長である. 早期に診断を付け, 予想される変形に対して, できるだけ早く矯正手段を構ずるべきであると考える. (昭和62年12月7日採用)
ISSN:0386-5924