Empowering Self-Management through Effective Goal Setting
持続可能な社会保障システム構築に向け,リハビリテーションにおいては,従来の寝たきり予防や医療的ケアにとどまらず,地域包括ケアシステムを支えるための患者のセルフマネジメント支援が求められている。セルフマネジメントサポート(SMS)は,医学面,社会的役割,感情面の三つの管理領域を含み,問題解決や意思決定など六つのコアスキルの習得を通じて患者の自立を促すものであり,多くのエビデンスがその有効性を示している。一方,セルフマネジメントを成功させるには目標設定が欠かせない。本総説では,Lenzen らの示す目標設定から行動計画,対処計画,フォローアップに至るプロセスを整理し,患者と療法士の共同意思決定を促...
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Published in | PAIN REHABILITATION Vol. 15; no. 1; pp. 1 - 7 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
Japanese Association for the Study of Pain Rehabilitation
2025
一般社団法人 日本ペインリハビリテーション学会 |
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ISSN | 2186-2702 2759-3355 |
DOI | 10.60411/painrehabilitation.12 |
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Summary: | 持続可能な社会保障システム構築に向け,リハビリテーションにおいては,従来の寝たきり予防や医療的ケアにとどまらず,地域包括ケアシステムを支えるための患者のセルフマネジメント支援が求められている。セルフマネジメントサポート(SMS)は,医学面,社会的役割,感情面の三つの管理領域を含み,問題解決や意思決定など六つのコアスキルの習得を通じて患者の自立を促すものであり,多くのエビデンスがその有効性を示している。一方,セルフマネジメントを成功させるには目標設定が欠かせない。本総説では,Lenzen らの示す目標設定から行動計画,対処計画,フォローアップに至るプロセスを整理し,患者と療法士の共同意思決定を促すADOC や,目標達成度を段階的に測るGAS をはじめとするツールの活用法を概説する。特にペインリハビリテーションの分野では,セルフマネジメント支援の具体的な手法や有効性が先行して示されており,その知見や実践が他の領域に波及することで,より多くの患者のQOL 向上ならびに持続可能な医療システムの構築にも貢献することが期待される。 |
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ISSN: | 2186-2702 2759-3355 |
DOI: | 10.60411/painrehabilitation.12 |