突然穿孔したクローン病の1例

近年わが国におけるクローン病の報告は急増しているが, クローン病による消化管穿孔例は, 比較的少い.欧米での報告によれば, 穿孔頻度は, 1~3%であり, わが国では, 1.3~4.0%ではないかと述べられている. われわれは, 全く無症状で経過中, ある日突然穿孔を起こしたileocolic型クローン病を経験したので報告し, 併せて一つの提言をしたい. クローン病は, 永い経過中或いは, ステロイドの使用中に穿孔した例は報告されているが, 全く無症状で経過し, 突然穿孔を来たすこともありうることを経験した.従って, 腸管の穿孔症状と診断した時には, クローン病による穿孔も鑑別すべき疾患の中に...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 37; no. 5; pp. 628 - 631
Main Authors 服部, 了司, 大原, 毅, 神保, 勝一
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本大腸肛門病学会 01.09.1984
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.37.628

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Summary:近年わが国におけるクローン病の報告は急増しているが, クローン病による消化管穿孔例は, 比較的少い.欧米での報告によれば, 穿孔頻度は, 1~3%であり, わが国では, 1.3~4.0%ではないかと述べられている. われわれは, 全く無症状で経過中, ある日突然穿孔を起こしたileocolic型クローン病を経験したので報告し, 併せて一つの提言をしたい. クローン病は, 永い経過中或いは, ステロイドの使用中に穿孔した例は報告されているが, 全く無症状で経過し, 突然穿孔を来たすこともありうることを経験した.従って, 腸管の穿孔症状と診断した時には, クローン病による穿孔も鑑別すべき疾患の中に加えるべきものと考える.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.37.628