虫垂瘻からのステロイドantedrug注入療法を施行した潰瘍性大腸炎の3例

ステロイド(以下SH)依存性の全大腸炎型の潰瘍性大腸炎(以下UC)3例に,虫垂瘻からのSH antedrug注入療法を施行したので報告する.症例1 21歳女性.腰椎麻酔下に虫垂瘻を作製しSH antedrugのフルオシノニド(以下FLU)注入療法を行った.緩解導入・維持が可能となり,25カ月後に本法を中止しその後も緩解を維持している.症例2 24歳女性.本法にてSH全身投与を中止できたが,施行後24カ月後に末梢関節炎を発症したためSH全身投与を再開した.症例3 25歳男性.本法を6カ月施行したが,狭窄病変により薬剤分布に差が生じ十分な効果が得られず,免疫抑制剤の投与を必要とした.考察:本法は,...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 59; no. 4; pp. 203 - 207
Main Authors 岡本, 春彦, 青柳, 豊, 杉村, 一仁, 谷, 達夫, 飯合, 恒夫, 宮澤, 智徳, 畠山, 勝義, 本間, 照
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本大腸肛門病学会 01.04.2006
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.59.203

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Summary:ステロイド(以下SH)依存性の全大腸炎型の潰瘍性大腸炎(以下UC)3例に,虫垂瘻からのSH antedrug注入療法を施行したので報告する.症例1 21歳女性.腰椎麻酔下に虫垂瘻を作製しSH antedrugのフルオシノニド(以下FLU)注入療法を行った.緩解導入・維持が可能となり,25カ月後に本法を中止しその後も緩解を維持している.症例2 24歳女性.本法にてSH全身投与を中止できたが,施行後24カ月後に末梢関節炎を発症したためSH全身投与を再開した.症例3 25歳男性.本法を6カ月施行したが,狭窄病変により薬剤分布に差が生じ十分な効果が得られず,免疫抑制剤の投与を必要とした.考察:本法は,全大腸炎型UCに対する局所療法として十分な効果があり,管理が容易で在宅療法が可能であること,副作用が少ないことなどの利点から,ステロイド依存性UCに対する治療法として有用であると考えられた.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.59.203