当院における細胞診、子宮頸癌検査の状況
〈はじめに〉子宮頸癌で死亡する患者は年間3,000名とも 5,000名ともいわれ年々増加傾向が見られる事から,子宮 頸癌検査の細胞診の成績について過去6年間にさかのぼり 検討したので報告する。 〈対象〉当院の産婦人科で2003年から2008年の6年間に子 宮頸癌検査で子宮頸部細胞診が提出された12,149例を対象 とした。 〈方法〉対象例について年代ごとに分類し各年度の傾向を 検討した。また10歳代から80歳代以上までを世代ごとに分 類して傾向を検討した。さらにパパニコロウ・クラス分類 から良性(I及びII),要経過観察(IIr),判定保留(診 断困難,III),悪性疑い(IIIb,IV),悪...
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Published in | Nihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 58; p. 116 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
2009
一般社団法人 日本農村医学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1880-1749 1880-1730 |
DOI | 10.14879/nnigss.58.0.116.0 |
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Summary: | 〈はじめに〉子宮頸癌で死亡する患者は年間3,000名とも
5,000名ともいわれ年々増加傾向が見られる事から,子宮
頸癌検査の細胞診の成績について過去6年間にさかのぼり
検討したので報告する。
〈対象〉当院の産婦人科で2003年から2008年の6年間に子
宮頸癌検査で子宮頸部細胞診が提出された12,149例を対象
とした。
〈方法〉対象例について年代ごとに分類し各年度の傾向を
検討した。また10歳代から80歳代以上までを世代ごとに分
類して傾向を検討した。さらにパパニコロウ・クラス分類
から良性(I及びII),要経過観察(IIr),判定保留(診
断困難,III),悪性疑い(IIIb,IV),悪性(V)に分類し
ベセスダシステムを考慮し傾向を検討した。
〈結果〉年代ごとの推移では,依頼件数は年々増加する傾
向を認めた。世代ごとの推移では若年層である10から20歳
代の依頼件数は2,625件(21.6%)であった。また30歳代
が依頼件数のピークの1,541件(12.7%)であり,30歳代
から離れる世代ほど依頼件数が減少する傾向を認めた。パ
パニコロウ・クラス分類の傾向は,多くが良性で11,827件
(97.3%)であった。判定保留は21例,悪性疑いは157例,
悪性は12例であった。また要経過観察は110例であり,
そのうちベセスダシステムにあるASC-US 症例は38例
(34.5%)であった。
〈考察〉過去6年間で12例に悪性所見を発見した。また当
院の子宮癌検査は若年層が全体の1/5(21.6%)であり
本邦の報告と類似の傾向がみられた。本邦では現在,ベセ
スダシステムによる細胞診報告が検討されているが,本検
討事項にある要経過観察(IIr)症例にはベセスダシステ
ムに記載のASC-US が約1/3も含まれていた。今後さら
に詳細な検討を行い学会当日に御提示いたします。 |
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ISSN: | 1880-1749 1880-1730 |
DOI: | 10.14879/nnigss.58.0.116.0 |