地域ケア会議の充実化を目指す

【目的】当院は、熊本県から阿蘇圏域(1市3町3村)の地域リハ活動を支援するため◯◯地域リハビリテーション広域支援センター(以下、広域支援センター)の委託を受けている。昨年度は特に地域ケア会議の開催と会議の充実を図ることを目的として活動を行った。地域ケア会議は、高齢者個人の自立に向けた支援の充実とそれを支える社会基盤の充実とを同時に進めていく地域包括ケアシステムの実現に向けた有効な機能であり、熊本県では自立支援型ケアマネジメントに向けた地域ケア会議を推進している。活動するにあたり抽出できた課題点と支援してきた中での課題点が見えてきた。今回地域リハに関わる理学療法士としてどのように支援方法が展開で...

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Published inKyushu physical therapist Congress Vol. 2019; p. 97
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Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本理学療法士協会 九州ブロック会 2019
Kyushu Physical Therapy Association
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ISSN2434-3889
DOI10.32298/kyushupt.2019.0_97

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Abstract 【目的】当院は、熊本県から阿蘇圏域(1市3町3村)の地域リハ活動を支援するため◯◯地域リハビリテーション広域支援センター(以下、広域支援センター)の委託を受けている。昨年度は特に地域ケア会議の開催と会議の充実を図ることを目的として活動を行った。地域ケア会議は、高齢者個人の自立に向けた支援の充実とそれを支える社会基盤の充実とを同時に進めていく地域包括ケアシステムの実現に向けた有効な機能であり、熊本県では自立支援型ケアマネジメントに向けた地域ケア会議を推進している。活動するにあたり抽出できた課題点と支援してきた中での課題点が見えてきた。今回地域リハに関わる理学療法士としてどのように支援方法が展開できるかを報告する。【方法】①阿蘇圏域の地域ケア会議開催の現状調査②地域ケア会議の開催者である地域包括支援センター・行政対象とした研修会の開催③地域ケア会議をテーマとした研修会の開催(3回実施)研修会開催後のアンケートを元に課題を抽出。【結果】7市町村中、広域支援センターが関与している6市町村から結果を得た。地域ケア会議開催頻度(定例化)は1/月・回(5市町村)であり、1村のみ不定期開催(協議会などは定期開催)であった。参加職は行政、地域包括支援センター、理学療法士は毎回参加。その他は栄養士、主任ケアマネ、実施事業所、社会福祉協議会などである。アンケート結果:(地域包括支援センター・行政)関係者のみが理解しているだけなのではないか。行政側もしっかり理解して欲しい。専門職を依頼するのにどんな手順を取ればよいのか。居宅支援事業所が一ヶ所で、ケアマネが村内に2名しかおらず、村からの要請がなければ事例があがらない。専門職も、村内にはほとんどいない。地域課題が出た後のことが何も決まっていない。(専門職)自立支援へのケア会議の大切さを知ることができた。また求められていることを明確にすることができた。短時間でまとめることは難しいと感じた。どの課題に絞るのか司会、ケアマネ、助言者での同意をするのは本当に短時間では難しい。(ケアマネジャー)担当者会議に合わせて、あわててプランを作成する事が多く十分なアセスメントができていない事が多い。視点、考え方勉強になった。自立支援、前向きな考え方が必要だと感じた。短い時間でもきちんとアセスメントできるよう努めていきたい。など、会議開催者(地域包括支援センター・行政)と参加職種、事例提供者(ケアマネジャー)では地域会議にかかる不安やとらえ方が異なることがわかった。【考察】広域支援センターでは、地域ケア会議に関する研修会を平成30年度は主催、共催含め5回実施した。対象を会議開催者(地域包括支援センター・行政)、助言者(参加職種)、事例提供者(ケアマネジャー)とそれぞれにわけて実施することで地域会議開催、出席することにかかる課題点が異なることが分かった。市町村は財源だけではなく、人材の確保も困難であることが不安材料となっていることが分かった。実際に参加職種も市町村により異なっている。そこで次年度は人材育成も視野に市町村の実情もふまえたそれぞれの課題点に対して支援するよう活動していきたい。【倫理的配慮,説明と同意】本研究の計画立案に際し,事前に所属施設の倫理審査員会の承認を得た。また研究の実施に際し,対象者に研究について十分な説明を行い,同意を得た。
AbstractList 【目的】当院は、熊本県から阿蘇圏域(1市3町3村)の地域リハ活動を支援するため◯◯地域リハビリテーション広域支援センター(以下、広域支援センター)の委託を受けている。昨年度は特に地域ケア会議の開催と会議の充実を図ることを目的として活動を行った。地域ケア会議は、高齢者個人の自立に向けた支援の充実とそれを支える社会基盤の充実とを同時に進めていく地域包括ケアシステムの実現に向けた有効な機能であり、熊本県では自立支援型ケアマネジメントに向けた地域ケア会議を推進している。活動するにあたり抽出できた課題点と支援してきた中での課題点が見えてきた。今回地域リハに関わる理学療法士としてどのように支援方法が展開できるかを報告する。【方法】①阿蘇圏域の地域ケア会議開催の現状調査②地域ケア会議の開催者である地域包括支援センター・行政対象とした研修会の開催③地域ケア会議をテーマとした研修会の開催(3回実施)研修会開催後のアンケートを元に課題を抽出。【結果】7市町村中、広域支援センターが関与している6市町村から結果を得た。地域ケア会議開催頻度(定例化)は1/月・回(5市町村)であり、1村のみ不定期開催(協議会などは定期開催)であった。参加職は行政、地域包括支援センター、理学療法士は毎回参加。その他は栄養士、主任ケアマネ、実施事業所、社会福祉協議会などである。アンケート結果:(地域包括支援センター・行政)関係者のみが理解しているだけなのではないか。行政側もしっかり理解して欲しい。専門職を依頼するのにどんな手順を取ればよいのか。居宅支援事業所が一ヶ所で、ケアマネが村内に2名しかおらず、村からの要請がなければ事例があがらない。専門職も、村内にはほとんどいない。地域課題が出た後のことが何も決まっていない。(専門職)自立支援へのケア会議の大切さを知ることができた。また求められていることを明確にすることができた。短時間でまとめることは難しいと感じた。どの課題に絞るのか司会、ケアマネ、助言者での同意をするのは本当に短時間では難しい。(ケアマネジャー)担当者会議に合わせて、あわててプランを作成する事が多く十分なアセスメントができていない事が多い。視点、考え方勉強になった。自立支援、前向きな考え方が必要だと感じた。短い時間でもきちんとアセスメントできるよう努めていきたい。など、会議開催者(地域包括支援センター・行政)と参加職種、事例提供者(ケアマネジャー)では地域会議にかかる不安やとらえ方が異なることがわかった。【考察】広域支援センターでは、地域ケア会議に関する研修会を平成30年度は主催、共催含め5回実施した。対象を会議開催者(地域包括支援センター・行政)、助言者(参加職種)、事例提供者(ケアマネジャー)とそれぞれにわけて実施することで地域会議開催、出席することにかかる課題点が異なることが分かった。市町村は財源だけではなく、人材の確保も困難であることが不安材料となっていることが分かった。実際に参加職種も市町村により異なっている。そこで次年度は人材育成も視野に市町村の実情もふまえたそれぞれの課題点に対して支援するよう活動していきたい。【倫理的配慮,説明と同意】本研究の計画立案に際し,事前に所属施設の倫理審査員会の承認を得た。また研究の実施に際し,対象者に研究について十分な説明を行い,同意を得た。
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EISSN 2434-3889
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地域リハビリテーション広域支援センター
地域包括支援センター
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