高等学校生徒の食形態に関する研究 (第3報) 定時制高等学校生徒の食生活
都市の定時制高校生1年から4年までの, 男子50名, 女子50名の食生活の実態を調査し同時に調査した, 全日制高校生のものと比較検討した。 1. 栄養摂取量および食品群別摂取量で, 定時制が全日制より摂取の多いものは, 栄養摂取では, カルシウムがあり, 食品群別摂取では, 穀類と生乳・乳製品があった。定時制の, カルシウムと生乳・乳製品が全日制より多い理由としては, 定時制で実施されている学校給食の牛乳摂取によるものである。 2. 1日の生活時間および消費エネルギーからみた生活内容は, 定時制では家庭外の生活に費す部面が多く, 職場と夜間の勉学という, ゆとりの少い生活実態である。 3. 消...
Saved in:
Published in | 栄養学雑誌 Vol. 33; no. 6; pp. 289 - 294 |
---|---|
Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
25.11.1975
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0021-5147 1883-7921 |
DOI | 10.5264/eiyogakuzashi.33.289 |
Cover
Summary: | 都市の定時制高校生1年から4年までの, 男子50名, 女子50名の食生活の実態を調査し同時に調査した, 全日制高校生のものと比較検討した。 1. 栄養摂取量および食品群別摂取量で, 定時制が全日制より摂取の多いものは, 栄養摂取では, カルシウムがあり, 食品群別摂取では, 穀類と生乳・乳製品があった。定時制の, カルシウムと生乳・乳製品が全日制より多い理由としては, 定時制で実施されている学校給食の牛乳摂取によるものである。 2. 1日の生活時間および消費エネルギーからみた生活内容は, 定時制では家庭外の生活に費す部面が多く, 職場と夜間の勉学という, ゆとりの少い生活実態である。 3. 消費エネルギーと摂取エネルギーの関係をみると, 定時制男子は, 消費量に対し摂取量が不足していた。また午前の消費量に対して朝食の摂取量が少く, 午後からの消費エネルギーは, 1日のうちでいちばん多く, 昼食に加えて学校給食からの摂取で, 消費エネルギーを補っている。定時制の学校給食の意義は大である。 4. 生活活動指数は, 定時制では, 男子0.56女子0.52で,「普通の労作」に分類された。現在青少年の活動指数は減少の傾向にあり, 全日制の数値に比較すると定時制の方が活動は大きい。 5. 食事時間について定時制は, とくに夕食の摂取時間が不規則であり, 帰宅後の深夜に食べるものが多く, この結果が朝食の摂取の少ないことに影響していると考えられる。 |
---|---|
ISSN: | 0021-5147 1883-7921 |
DOI: | 10.5264/eiyogakuzashi.33.289 |