ステロイド・シクロスポリン併用療法が奏効したと思われる増殖性天疱瘡の1例
41歳, 女性。約5カ月前より, 口腔内にびらんが生じ, 同時に鼡径部に赤色皮疹を認め, 徐々に潰瘍を形成してきた。初診時, 口腔内にびらん, 潰瘍を認め, 腋窩, 濟部, 鼡径部に膿疱を認めた。鼡径部では潰瘍を形成していた。眼球結膜は充血し, 眼科にて上強膜炎の診断を受けた。組織学的に表皮肥厚, 基底層直上に好酸球性膿瘍を形成, 膿瘍内に棘融解細胞を認めた。蛍光抗体直接法では, 表皮細胞間にIgG, C3の沈着を認めた。増殖性天疱瘡と診断し, プレドニゾロン45mg/dayの内服投与を開始した。皮疹は軽快傾向を示したが, プレドニゾロンを35mg/dayに減量したところ再燃を認めたため, シ...
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Published in | 皮膚 Vol. 37; no. 3; pp. 328 - 334 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
日本皮膚科学会大阪地方会
20.06.1995
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Subjects | |
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ISSN | 0018-1390 1884-541X |
DOI | 10.11340/skinresearch1959.37.328 |
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Summary: | 41歳, 女性。約5カ月前より, 口腔内にびらんが生じ, 同時に鼡径部に赤色皮疹を認め, 徐々に潰瘍を形成してきた。初診時, 口腔内にびらん, 潰瘍を認め, 腋窩, 濟部, 鼡径部に膿疱を認めた。鼡径部では潰瘍を形成していた。眼球結膜は充血し, 眼科にて上強膜炎の診断を受けた。組織学的に表皮肥厚, 基底層直上に好酸球性膿瘍を形成, 膿瘍内に棘融解細胞を認めた。蛍光抗体直接法では, 表皮細胞間にIgG, C3の沈着を認めた。増殖性天疱瘡と診断し, プレドニゾロン45mg/dayの内服投与を開始した。皮疹は軽快傾向を示したが, プレドニゾロンを35mg/dayに減量したところ再燃を認めたため, シクロスポリン4mg/kg/dayの併用を開始した。シクロスポリン投与2週間で皮疹は軽快した。 |
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ISSN: | 0018-1390 1884-541X |
DOI: | 10.11340/skinresearch1959.37.328 |