Surgery for MCLS heart disease, A report of 6 patients

川崎病心疾患6例に外科治療を行い遠隔成績の面から手術の適応,効果を再検討した.術時年齢2.5-26歳の男5,女1例でいずれも冠動脈の狭窄,閉塞と瘤を伴う重篤な病変を有しており心筋梗塞既往を5例に,201Tl負荷心筋スキャン陽性の虚血を1例に認めた.5例に自家大伏在静脈(SVG)を用いてA-Cバイパス手術,1例に僧帽弁置換術を施行した.手術死亡,遠隔期死亡はない.川崎病による炎症性冠動脈病変に対してもA-Cバイパス手術は有効であった.しかし4歳児例で初期良好に開存していたSVGは3年後には無症候性に完全閉塞しこれに代わって豊富な側副路形成がみられた.まだ1例の経験ではあるが幼小児例では自家SVG...

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Published inShinzo Vol. 14; no. 7; pp. 868 - 877
Main Authors Nakano, Susumu, Kawachi, Kanji, Kitamura, Soichiro, Ogawa, Minoru, Harimat, Ryoichi, Kawashima, Yasunaru
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Japan Heart Foundation 25.07.1982
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.14.7_868

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Summary:川崎病心疾患6例に外科治療を行い遠隔成績の面から手術の適応,効果を再検討した.術時年齢2.5-26歳の男5,女1例でいずれも冠動脈の狭窄,閉塞と瘤を伴う重篤な病変を有しており心筋梗塞既往を5例に,201Tl負荷心筋スキャン陽性の虚血を1例に認めた.5例に自家大伏在静脈(SVG)を用いてA-Cバイパス手術,1例に僧帽弁置換術を施行した.手術死亡,遠隔期死亡はない.川崎病による炎症性冠動脈病変に対してもA-Cバイパス手術は有効であった.しかし4歳児例で初期良好に開存していたSVGは3年後には無症候性に完全閉塞しこれに代わって豊富な側副路形成がみられた.まだ1例の経験ではあるが幼小児例では自家SVGを用いたA-Cバイパスの長期開存性には疑問が抱かれた,17,26歳の年長老例ではSVGの長期開存が認められ,また10歳例でも術後4カ月SVGの開存は201Tl負荷心筋スキャンで確かめられた.重症僧帽弁逆流には手術適応があるが合併する左室収縮不全は術後も残存し,心筋炎の合併因子が考慮され遠隔期の問題として残った.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.14.7_868