A case of left ventricular papillary fibroelastoma

原発性心臓腫瘍は比較的まれな疾患で,その中でも粘液腫以外の腫瘍は非常にまれとされている.症例は81歳の女性で,外傷による胸部打撲を契機として心エコーにて左室内腫瘤を指摘された.当初,左室内血栓を疑ったがウロキナーゼの持続投与にても縮小が見られず,MRIにて左室内腫瘍と診断された.年齢と全身状態より外科的摘出を行わず対症療法にて経過観察を行っていたところ,退院後約1カ月にて突然死し,その後の病理解剖にて左室の乳頭線維弾性腫と診断された.乳頭線維弾性腫の報告は少なく,本例は肉眼的所見と発生部位において非定型例で,左室流出路狭窄による症状も呈していたという点でも非常にまれな1例と考えられた....

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Published inShinzo Vol. 27; no. 2; pp. 180 - 185
Main Authors Mizutani, Takaaki, Sawada, Takahisa, Tsuruyama, Kouki, Shirono, Kouichi, Tsuchihashi, Yasunari, Tanaka, Tetsuya, Kawata, Kouichi, Kimura, Tsuguhiro
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Japan Heart Foundation 15.02.1995
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.27.2_180

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Summary:原発性心臓腫瘍は比較的まれな疾患で,その中でも粘液腫以外の腫瘍は非常にまれとされている.症例は81歳の女性で,外傷による胸部打撲を契機として心エコーにて左室内腫瘤を指摘された.当初,左室内血栓を疑ったがウロキナーゼの持続投与にても縮小が見られず,MRIにて左室内腫瘍と診断された.年齢と全身状態より外科的摘出を行わず対症療法にて経過観察を行っていたところ,退院後約1カ月にて突然死し,その後の病理解剖にて左室の乳頭線維弾性腫と診断された.乳頭線維弾性腫の報告は少なく,本例は肉眼的所見と発生部位において非定型例で,左室流出路狭窄による症状も呈していたという点でも非常にまれな1例と考えられた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.27.2_180